【夏の業界セミナーレポートを一挙公開】「ウルトラマンシリーズ」の円谷プロによる業界セミナーを開催

2014.10.23

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テーマは実写映像における3DCGの役割、立体造形への活用!

2014/8/30(土)、「ウルトラマンシリーズ」でおなじみの株式会社円谷プロダクションから澗淵 隆文氏をゲストに迎え、3DCG業界セミナーが実施されました。

澗淵氏がアシスタントマネージャーとして所属する「LSS」とは「LIGHT(光の) SCULPTURE(造形) STUDIO(工房)」の略称で、同社のキャラクタースーツ、プロップ(小道具)、展示物など造形物全般を担当する部署です。もともと造形が専門だった澗淵氏は、円谷プロに入る以前から特撮ヒーロー作品のコスチューム制作を手がけていました。セミナーでは、実写映像における3DCGの役割や、3DCGから立体造形への活用などについて、詳しくお話くださいました。
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特撮の実写映像は基本的に、モデリングされたキャラクターが俳優に代わって映像上で演技し、背景としてつくられた3DCGの空間に俳優を合成してつくります。しかし近年、3Dプリンターや3Dスキャンが普及してからは、プロップ類を立体出力して劇中で使用したり、それとは逆に人物や造形物をスキャンしてデータ化したものをCG映像として利用したりするなど、応用の幅が広がってきているそうです。

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3DCG→立体造形のプロセスは、粘土原型のスキャンデータをもとにCADデータを作成、人の手による粘土原型での左右非対称やゆがみをなくしたデータにして立体出力する、という流れ。従来の原型→型取り→成型といった手作業をデジタルに置き換えて、精度も効率も向上しました。キャラクターマスクの立体出力原型も披露され、学生たちは非常に珍しそうに触れていました。

澗淵氏は「私たちは誰もやったことのないもの、見たことのないものをつくっていかなければなりません。私たちのやってきたことよりずっと上をいくものを創造してくれる人材を期待しています。学生の皆さんには、学校の授業の枠にとどまらず、外での時間を最大限有効に使ってほしいと思います」とメッセージを送りました。
質疑応答の時間では、学生たちが積極的に手を挙げて質問を投げかけており、このセミナーへの関心度の高さがあらわれていました。
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セミナー終了後は、学生への作品指導として、一人ひとり丁寧に指導していただきました。
学生にとってモチベーションアップの時間になったようです。
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3DCGには幅広い可能性がある。常識にとらわれずいろんな分野へ挑戦を!

株式会社円谷プロダクション
IP企画製作本部 IP企画製作部
LSS アシスタントマネージャー
澗淵 隆文

ウルトラマンは子ども向けのキャラクターなので関心が薄いかもしれないと思っていたのですが、予想以上に興味を持ってくれてうれしかったです。現役の大ファンだという高校生もいましたね。この仕事をしていて一番うれしいのはやっぱり子どもたちに喜んでもらえること。ライブショーでは、子どもたちは本当に必死でウルトラマンを応援するんです。その素直な姿に感動してしまいます。海外で放送すると視聴率は40%を超えますし、世界中の子どもたちに愛されています。こういうキャラクターづくりに携われていることに大きな喜びを感じますし、もっと素晴らしいクオリティーで魅せ、驚かせてみたいと思います。今日のセミナーで伝えたかったのは、3DCGは映像作品にとどまらず、ライブショーで立体物としても使用できるなど非常に幅広い可能性があることです。今までの常識にとらわれず、いろんな分野への挑戦ができる技術だと思います。

関連ページ

・円谷プロダクション公式ホームページ
神戸電子専門学校 3DCGアニメーション学科紹介ページ
参加無料!体験入学・オープンキャンパス特設サイト

 

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