2017年 3DCG・アニメ業界スペシャルセミナー総集編③~グラフィニカ×サンジゲン セッション~

学校からのお知らせ

2017.10.23

アニメCG業界をリードする企業、サンジゲンとグラフィニカが登場!
進化が続く制作現場について、最先端のTOPクリエイターが語る
2_R1_R
3_R

2017/7/15(土)、3DCG・アニメの仕事に興味を持つ学生を対象に、「高校生・在校生向け」「在校生向け」2部構成での業界セミナーを開催しました。
3DCGを使ったリミテッドアニメーションという新しい表現手法を確立して高い評価を受ける株式会社サンジゲンと、アニメーションのほぼすべての制作工程を行うスタッフがそろう株式会社グラフィニカというアニメCG業界をリードする両社が来校されるということで、最先端のアニメ制作の現状を学ぼうと集まった学生たちで会場は満員。株式会社サンジゲンからは代表取締役の松浦裕暁氏と取締役の瓶子修一氏、株式会社グラフィニカからは取締役でチーフプロデューサーの吉岡宏起氏が登壇されました。

第1部は、「アニメCGの未来とクリエイターになる秘訣」をテーマにしたトークディスカッションが行われました。「アニメの作り方」では、企画から絵コンテ、CGでアニメを作り上げるまでの基本的な流れを解説。従来のセルアニメの利点は、現在のアニメCGの技術でほぼクリアできる点を挙げて「何枚も紙に描くアニメからペーパレスのCGで描くようになる流れは止められない」と松浦氏は語りました。
4_R

具体的な描き方についての話の中で、「キャラクターの演技プランを考えるレイアウト、動きをしっかりつけるアニメーションFIX、揺れる髪や微細な表情変化を仕上げるセルルックの3段階があり、途中で積み上げてきたものが全部やめるような大改修が起きないように、工程ごとに細かくチェックする」と説明していただき、作品のクオリティーを挙げる基本を学ぶことができました。
また、折に触れて、事前に学生から受けていた質問を画面に映しながら答えていただき、学生たちには知識の隙間を埋める貴重な時間となりました。
さらに「アニメーターの1日」として、株式会社サンジゲンの22歳の女性社員のようすを職場の写真を交えて紹介。同年代のアニメクリエイターが、どんな環境の職場でどう働き、1日を過ごしているのかがよくわかりました。
6_R株式会社グラフィニカの職場のようすも紹介され、職場環境は企業によって特徴があることも分かり、学生たちはめざす仕事の現場の一端を知ることができました。
7_R在校生向けに行われた第2部では、より専門的な内容の質問への返答に加えて、アニメCGの仕事をしていくうえで必要な技術や知識について教えていただきました。「将来アニメ監督をめざすなら必ず見たい作品リスト」なども紹介いただき、学生たちは熱心にメモを取っていました。
10_R9_R
8_R

常にアンテナを張って、時代の変化を見逃さない。
17_715SG_093_R

株式会社サンジゲン
代表取締役 松浦裕暁氏

私がCGアニメをやりたいと思ったきっかけは、絵が描けない自分がCGを使えば描けることが分かり「これは向いている」とやり始めたことでした。最初は、いろいろなものを描くためにソフトの技術を習得する努力はしましたが苦労だとは思わなかった。むしろ苦労したのは、アニメの中にCGを入れるところです。当時はそれが認められていなかった。ようやくCGの技術で良い絵が描けることが認められてきたと思うので、今後は世界市場に向けてCGアニメを作っていきたい。そのために「CGアニメを世界に向けて発信する」という強い思いを業界全体で共有できるように力を注いでいきたいと考えています。

学生のみなさんの周りにはTVにもネットにもアニメがたくさんあります。でも、このままの時代が続くと思うなよ、と伝えたい。進化のスピードはすごい。今日セミナーで私たちが話したことすら1年後には変わっている可能性があるんです。AIがいろいろなことに関わりはじめていますし、今思いつかないことにどんどん変わるはずなので情報にアンテナを張っておいてほしい。体系的な学びのほかに、そういう時代への順応性を身につけていってください。

やりたいことは妥協しない強い心を身につけて。17_715SG_096_R

株式会社グラフィニカ
取締役 吉岡宏起氏

子どもの頃からヒーローに育てられたという思いがあります。彼らはどんな困難があってもゆがむことなく真っすぐ生きていた。そんな姿に憧れて、自分で作ってみたいと思ってゲーム会社に入ったんですが、そういう仕事がなかった。そこでアニメならきっといつか作れると思って転職したんです。アニメでヒーローを作って、子どもたちにも、そんな生き方の素晴らしさを伝えたい。ゲーム業界出身なので、今後はCGをうまく取り入れながらゲームとアニメの関係をもう少し深めていきたいですね。学生のみなさんには、人に迷惑をかけない範囲で自分のやりたいことを突き詰めて考えて、妥協なくやればいいと伝えたいですね。私も転職を経験していますし、フルCGでアニメを作ろうとして苦労した経験もあります。たとえ挫折してブランクの期間があったとしても強い気持ちとそれまで培ったものがあれば、また立ち上がれるんです。学生時代に、やりたいことには妥協しないという強い意志を持てるようにしてください。
5_R

(関連サイト)
グラフィニカ
サンジゲン
神戸電子専門学校 3DCGアニメーション学科