意外と重い神戸

2011.12.26

CATEGORIES:神戸

川崎重工株式会社 神戸工場(船舶海洋カンパニー)の進水式に参加してきました。
 

 
バルク(バラ積)運搬船 BULK PATAGONIA
和田岬に位置する造船所の他、神戸には川重だけでも鉄道車輌工場、ジェットエンジン工場、各種油圧機器工場が集積しています。ジェットフォイルや潜水艦、新幹線にモノレールにいたるまで、また明石や播磨地域まで含めると、大型産業プラントや二輪車、そしてトンネル掘削機までをも造っています。
 

 
普段、情報システムやゲームソフト、アニメといったソフト分野でのものづくりに囲まれているので、逆の質量高い固まり感にぐっときます。
 

 
昨今の造船は船体部品のユニット化が進んでいると聞いてはいましたが、ここまでとは思っていませんでした。3万tを超える本船もすでに12の同型船を竣工させており、船台の周囲には後続の同型と思われるユニットが多々据えられていました。パナマ運河を通れる最大の規格パナマックス、製造費30億円強、現在の新幹線16両編成総額とほぼ同額だとか。随分安くなりました。
 

 
バラ積み船は同じ船で鉄鉱石も運べば、小麦粉も運ぶという大きな船倉を持ちます。運搬毎に中を洗って、次のものを入れるのだとか。鉱物の後に食料原料を入れる、ちょっと抵抗が有りますね。洗浄システムにも興味が湧くところ。
 

 
船台。船を海へと滑り落とすため、台字体が斜めになっていて、その下には様々な工具が保管されており、ここは興味津々。
 

 
船台のレールに塗りたくって有る油、ヘッドと言うそうです。ギューッとスーが混じった何とも言えない音でしたね。そして進水の速度には驚きました。船首も良かったですが、次回は船側でそのスピード感をより味わいたいところ。
各種船内の設備を取り付けていく艤装は水上で行うため、進水した後はもう船台へは戻りません。
 

 
一般人が入れない郵便局というのが国内に二つ有り、一つは宮内庁内でもう一つがこの川崎重工神戸工場内の郵便局だそうです。生憎祝日だったため開いておらず、預金通帳を作りそびれました。
 
ファッションの街、観光の街としての色合いを強く持つ神戸では有りますが、実は戦前から重いものづくりの街としての地顔を持っています。
 
今年は”神戸の音” と題し、港の音を中心に録音していく予定ですが、川重神戸工場のお昼時のサイレン、進水時の滑りを是非録ってみたいものです。

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