神戸電子の学生たちが2年間の集大成を発表する、年に一度の作品発表会「Digital Works」。
毎年数多くの注目作品が出そろいますが、今年も「Digital Works 2014-2015」が開催され、盛会裡のうちに幕を閉じました。
中でもサウンドクリエイト学科は、5.1chサラウンド立体音響で制作された映像作品ばかり。北野館5階の北野坂スタジオに大型スクリーンが持ち込まれ、臨場感あふれる環境での上映会となりました。
とりあげたいのは、オリジナルのSF短篇『Lost Underground』、幕間にサウンドクリエイト学科のオリジナルCM、そしてコマ録りアニメーション作品『イッソく~ん!!』と、ジャンルもさまざまな3作品。
1本目の上映作品『Lost Underground』は、惑星地底探査船のクルーが調査先の星で未知の凶暴な生物に遭遇してしまう物語。
この作品は昨年の学園祭で、役者が目の前で演技を行い、観客側も探査船の一員という設定でもって作品を楽しむことができるよう、テーマパークさながらの体感形アトラクション形式になっていました。3DCG映像・立体音響・照明、そして演技のコラボレーションでもって「魅せる」作品としてライブ上演されていたんですね。
今回は役者の演技を撮影し、映像を再構築。台詞のアフレコを行い、音響効果もさらに創り込む事で、1本のショートムービーとして見事に生まれ変わっていました。
また『Lost Underground』は、複数の学科との合同作品です。重厚な音楽や音響効果は、サウンドクリエイト学科の学生たちが。宇宙生物や宇宙の情景は、3DCGアニメーション学科の学生が制作。探査船のクルーは、声優タレント学科の学生が演じるなど、さまざまな学科の持ち味が、惜しみなく活かされた作品でした。このように異なる学科とタッグを組んだ大規模な作品創りが出来る事は、まさに神戸電子での学びの強みと言えます。
幕間に上映された、サウンドクリエイト学科プロモーションCMは、コメディ要素が満載。サウンドクリエイト学科の学生や教員がシュールな演技を披露し、短時間でクスリと笑えるものに仕上がっていました。CMは映画などと違い、厳しい時間制限があります。15秒や30秒といった時間内で起承転結を組立て、情報を伝えなければいけません。様々な制約があるなか、とても丁寧にまとめられていました。
最後の作品『イッソく~ん!!』は、クレイアニメ調のコミカルなショートムービー。サウンドクリエイト学科の学生たちと、紙粘土でつくられた小さなモグラの「ISSOくん」とのふれあいを描いた和やかなストーリーで、現実世界にマスコットキャラクターが共存する作品でした。
コマ割りで撮影された映像、バラエティ豊かな効果音、大きなアクションでコミカルさを表現した学生たちの演技など、ユニークに見せるための工夫が随所に感じられました。物語の終盤、神戸電子で音楽のスキルを得たISSOくんが地下の世界に帰ってゆくシーンは、この「Digital Works」を終え、卒業してゆく学生たちと姿が重なり、思わずジーンときてしまいました……。
多くの来場者にも恵まれ、労いの言葉をかけられていた各作品の監督たちは「やりきった!」と安堵の表情ではありましたが、同時に学内での作品制作が全て終わってしまった事への寂しさも見え隠れしていた事も印象的でした。
音創りはもちろん、キャストの手配やシナリオ作成、制作進行、小道具作り、撮影や編集など、本当に沢山の場面でこの2年間の学びが活かされたものになっていたと思います。
サウンドクリエイト学科のみなさん、おつかれさまでした。春からはさまざまなフィールドでこの学科での経験が発揮される事を願っています!