生田神社の夏祭りで感じた、音楽とお酒のパワー

2014.11.12

CATEGORIES:学校・教育 ,神戸 ,音楽

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すっかり秋の装いになりましたが、記憶の整理も含めて夏の思い出を振り返ってみます。今夏、思い出深い出来事のひとつが8月に開かれた生田神社の夏祭り「大海神社祭(たいかいじんじゃさい)」です。

神主さんより、神戸電子で「夏まつりのサウンドステージを受け持ってもらえませんか?」とお声がけいただき、サウンドテクニック学科の教員、学生とでお受けしました。生田神社さんとは、僕が代表世話人をしている「音楽のまち神戸を創る会」の事業の一つ、「市民が街中で音楽を楽しむ」活動 ‘078’ を神社内で開催させていただいてからのご縁です。078では、当初「境内」での演奏と聞いていたのですが、フタをあけてみたら舞台はなんと「本殿」。雅楽上演の前に、アンビエントな電子音楽を奉納として響かせました。

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生田神社は神戸という地名の由来として知られています。日本書紀にも記述が残る由緒ある神社で、ふだんは静かで厳かな空気に満ちています。しかし、この夏祭りに限っては、静から動へ、およそ神社の催しとは思えないような盛り上がりを見せます。境内に音楽ステージやDJブースが組まれ、ジャズ、声楽にロック、アイドルユニットによるライブやダンスなど、さまざまな催しが続きます。規制の多い日本の都市部でこれだけの音量を許容し、広く若者文化を受け入れている神社はそうそうないでしょう。さらに、日暮れからは夜店ブースが開き、神戸・灘の蔵元である剣菱酒造や神戸ワインをはじめ、地酒がずらっと並びました。

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アッパーな電子音が響く本殿前で踊るダンサーの姿、お酒を片手に境内で沸き起こるコール&レスポンス……神社であることをつい忘れてしまうような盛り上がりを見せます。しかし、古来より縁日には芸能の奉納が付きものであり、“人が集まる場をつくる”という意味において、神社はオーガナイザーのような存在だったのでしょう。そこでは、笛や鉦の音はもちろん、音頭にあわせて“舞い”があり、お酒で神様を迎えたわけです。人が集まる場所をつくるための手法はたくさんありますが、あらためて“音楽とお酒”の力、そして日本古来のお祭りの魅力を感じました。

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さて、神戸電子は今回、3日間にわたってサウンドステージを任せていただけました。ステージの設営から音響機材の調整、運営の進行まで、サウンドテクニック学科の学生が精一杯の力を発揮してくれたように思います。やるからには、毎回、音の解像度にこだわった音出しをこころがけていますが、今回もオーディエンスの皆様、一様にそこを評価するお言葉を頂きました。今回サウンドステージを任せてくださったのは、このこだわりへの信頼があってこそ。降り止まない雨や突然のトラブルにもめげず、学生たちも素晴らしい“奉納”ができたのではないでしょうか。

生田神社の方々も喜んでくださったようで、すでに来年の続投要請も。今年以上に、壮観なお祭りになるよう頑張りたいと思います。   

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ポートランドにみる“これからの都市”のあり方(後編)

2014.10.6

CATEGORIES:海外 ,神戸

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さて前回に続き、米国のクリエイティブな都市、ポートランドを訪れた経験から“これからの都市”のあり方についての所感をお届けします。

前編で書いた通り、ポートランドは“身の丈主義”を通じて、日常の暮らしに豊かさが溢れていました。生産者から食卓までミニマムな流通経路を用いた地産地消が確立され、職人から一般家庭まで自分たちでつくれるものは何でもつくるDIY精神が根付いています。大量生産・大量消費が主だった暮らしは、過去のものになり、いま、新しい時代の暮らし方のモデルケースとして、ポートランドが世界中から注目を集めています。

でも、僕が強く思ったのは、ポートランドの暮らしって、ひと昔前の日本には、当たり前にあった、ということ。地元の食材を近所の商店街で買い、日用品は個人経営の荒物屋で手に入れる。着られなくなった服は雑巾にして再利用し、ちょっとした家具なんかも釘とトンカチでつくっていた。経済の発展とともに、必要でないものまで買うようになり、古くなったらすぐ捨てる。そんなサイクルが主流になりましたが、人の暮らしというのは元来、自分の手の届く範囲で完結させるのがもっとも心地よく、無駄のない生活なんじゃないでしょうか。

今、そんな暮らしを人々は求めているんだと思います。大量生産・大量消費の渦に飲み込まれ、お金や価値観をすり減らし続けることに疲れてしまったのでしょう。もっと物事の本質的な価値を重視し、均質に与えられるものではなく、“自分にとっていいもの”を求めることが理想になりつつある。だからこそ、ポートランドの身の丈主義な街のスタイルが、今もっともカッコよく映るんだと思います。余談ですが、テレビ番組の「ザ!鉄腕!DASH!」(日本テレビ)が人気なのも、身の丈主義の豊かな暮らしを手づくりしているからではないでしょうか。こんな生活うらやましいなぁ……と思いながら観ている人も多いと思います。

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今回の出張のなかで考えていたのは、ポートランドのスタイルを神戸の街にいかに取り入れるか、ということでした。神戸には魅力的なモノやカルチャーがたくさんありますが、まだまだそれを活かしきれていない。それは均質化されてしまった都市に、神戸の街がもつ「らしさ」が埋もれてしまっているからでしょう。これは文化的な話ですが、東京一極集中の波が衰え、各地方都市のアイデンティティー、特色化が強く求められる昨今ですが、神戸の街がより豊かになるためには、今後、身の丈で考える街づくりが必要になると感じています。

幸い神戸には、神戸ビーフを代表とする畜産部やや新鮮な海産物に農作物など、上質な食材が抱負に有ります。また、居留地に見られる西洋文化や、南京町のチャイナタウン、在日インド人のコミュニティと、多様なカルチャーが混在し、ジャズやコーヒー、スイーツ、それにファッションなど、海外の文化をいち早く取り入れ国内に発信してきました。これらの強みを活かしながら、神戸の街が成長していけるとベストだと思います。神戸でしか味わえない料理、神戸でしか買えないもの、神戸でしか体験できない暮らしが、街の隅々まで浸透していったなら、素晴らしいことだとは思いませんか。

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そんな街づくりのなかで、神戸電子は一体何ができるのか、というのも重要なことです。ポートランドには「Pacific Northwest College of Art(PNCA)」というアートカレッジがあります。PNCAで生み出されるアートやデザインが街の暮らしへと浸透し、人々を豊かにしている。いわばポートランドのクリエイティブを担う拠点です。これを神戸電子で実現するのが僕の野望のひとつ。神戸電子から生まれる新しい発想や技術が、神戸の街と結びつきながら、近隣の人々の暮らしに役立つ。ポートランドの出張を通じて、あらためて神戸電子の掲げる“地域密着”が鮮明になったように思います。

最後に、ポートランドで感じたのは、ひとつの家族のような小さな共同体の強さです。神戸の街も、そんなコミュニティを築ければいいなと。いや、この記事を読まれた皆さん、ぜひ一緒に神戸をそんな街にしていきましょう。

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『 テクノ盆 』 まつり囃子 150年ぶりのリエンジニアリング

2014.8.21

CATEGORIES:神戸 ,音楽

日 時: 8/25(月) 7:45pm 〜 8:25pm(40分間)
場 所: ホテル北野プラザ六甲荘駐車場特設会場(神戸電子専門学校本館東隣)
 
音楽コンテンツの嗜好が世代別で断絶する中、地域、世代のギャップを超えて支持される音楽。海外から ”Oh It’s Japan !” と明確に認知される音楽。我々にとり、これらを満たすものとは、まつり囃子になりはしないでしょうか。
脱亜入欧でもって西洋人になろうとばかりにひた走った150年間をこの点においては一度引き戻したい。根っこのうずきを満たす音の昇華をカタチにしたいと続ける試み、テクノ盆。是非地域の皆様にお楽しみいただきたく、今年も練り上げて参りました。
完成には数十年とかかるやもしれません。その過程を共に味わって頂ければ幸いです。
 
  
「テクノ盆」は、神戸電子専門学校、ホテル北野プラザ六甲荘共催による地域住民に向けた「感謝祭」の一プログラムです。
「感謝祭」 8/25(月) 4:40pm 〜 8:30pm 北野婦人会盆踊り、兵庫県立農業高等学校
 
テクノ盆チラシ 
 
参加申込: Facebookイベントページ

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