「若年者ものづくり大会」で見事優勝! ブラジル世界大会出場決定!

2015.1.24

CATEGORIES:国内 ,学校・教育

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神戸電子には、各方面で活躍する自慢の学生がたくさんいます。今回は、2014年の夏に行われた「第9回 若年者ものづくり競技大会」のグラフィックデザイン部門で優勝をおさめ、今夏、ブラジルで開催される「技能五輪国際大会」へ日本代表として出場が決まった学生とお話をしました。

————:まずは「技能五輪国際大会」への出場おめでとうございます。学校の顔としてはもちろんですが、今回はさらに日本を背負うことになりますね。頑張ってきてください。さて今日は、その前哨戦となった「若年者ものづくり大会」の内容と、稲継さんが学校でどのように学んで過ごしてきたのかを教えてください。最初に簡単なプロフィールをお願いします。

稲継:稲継真子と申します。グラフィックデザイン学科の2年生です。出身高校は兵庫県県立三木東高校学校。趣味は絵を描くこと、あとは裁縫など、ものづくり全般が好きです。

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————:稲継さんがグラフィックデザインを学ぼうと思ったのはなぜですか?

稲継:もともと絵を描く仕事に就きたくて、小さいころからずっと絵を描いていたんです。でも、絵を描くことだけで仕事ができるかと言われると、それは難しそうで……。デザインをきちんと学んでいれば、将来、絵を描く仕事をするうえでも大きな強みになるんじゃないかと思い、デザインを学ぶことを決めました。

 

————:なぜ神戸電子を選んだのですか?

稲継:いくつか進学先の候補があったので、高校生のころに複数のオープンキャンパスへ行きました。ある学校は、雰囲気はとっても楽しそうで「いいなぁ」と思ったんですけど、就職をはじめ将来に繋がる可能性を考えたら神戸電子のほうがいいなと。最後は直感です。不思議なんですけど、わたしはなぜか「何となく神戸電子に行くだろうな」と思っていました。たぶん、学校全体にただよう真面目な雰囲気がわたしには合っていたのかもしれません。

————:それは、うれしい。直感というのは本当に大事ですよね。

————:神戸電子を受験しようと考えている方のために、授業では何を学んでいるか教えていただけますか?

稲継:わたしはいまWebデザインを専攻しています。Illustrator、Photoshopなどのソフトを使用して描画表現を学び、さらにHTMLやCSSを駆使して、実際のサイトづくりにも取り組んでいます。ただ、いかにカッコいい、かわいいサイトをつくるかだけではなく、どうデザインすればユーザーが使いやすく感じるのかを重視しています。これがなかなか難しいのですが。自分ではよいものができたと思っても、いざ先生に見ていただいたら「使いにくい」って言われることも。自分の思い込みにとらわれず、いかに客観的な視点をもてるか。デザインは本当に奥が深いなと日々感じますね。

 

————:グラフィックデザインの対象は、紙とWebに大きく分けられますけど、神戸電子は紙とWebのデザインで学科を分けていないのが特徴です。コース選択はありますけども。入学前、あとは入学後で、紙とWeb、どちらのデザインを中心に学ぶか、意識の違いはありましたか?

稲継:最初は紙一筋でいこうと思っていたのですが、1年生の時に受講したWebの授業が想像以上に楽しくて。興味がなかったんじゃなくて、その業界のおもしろさを知らなかっただけなんだと気づいたんです。それで、Webコースを選びました。けれど、内定をいただいた就職先は印刷会社なんですけどね(笑)。

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————:Web専攻だったのにですか?

稲継:Webデザインを一通り学んだうえで、それでもやっぱり紙媒体を仕事にするのが、わたしには向いていると思ったんです。これは人それぞれなので、わたしのケースはあくまで一例に過ぎません。ただ、神戸電子では紙もWebも両方学べます。就職先は紙媒体が中心ですが、Webデザインのスキルをもっているのは、実力の底上げにも、自信にも繋がるので、Web専攻でよかったなあと思います。

 

————:なるほど。学校としても、あえて紙とWebを分けていなかったのですが、まさに稲継さんのようなキャリアを描けることが可能です。紙かWebかの二択ではなく、紙もWebも、というふうに業界を越境する能力も重要だと考えています。ちなみに、就職先の印刷会社では、具体的にどのようなお仕事をするのですか?

稲継:内定をいただいたのは、神戸市内にある老舗の印刷会社です。わたしが働く予定の部署は、この春から新しく設けられる部署で、いわゆる1期生になります。印刷会社というと、発注を受けて印刷を行うというイメージがありますが、新設される部署では、会社内でオリジナルの企画を考え、商品づくりをしてお客様に販売していく予定です。

 

————:それはおもしろい!やりがいがありそうですね。

稲継:そうなんです。クリエイティブの根幹の部分を内部で制作するため、責任感は課せられますが、そのぶん創造性の高い取り組みができるのではと楽しみにしています。

 

————:グラフィックデザイン学科は、産学連携が多い学科です。学生とはいえ、企業とコラボレーションするなかで、レベルの高いクリエイティブが求められることも多かったでしょう。培ってきた力がきっと役に立つと思いますよ。

稲継:コラボレーションをする機会はたくさんありました。たとえば、神戸の地産地消を応援するイベント「みなとマルシェ」のポスターづくりをしたり、神戸活性化のためのパーティーイベント「KYKK(金曜の夜は神戸で決まり)」のリーフレットを制作したり。分野を越えて、声優タレント学科の学生と、CDジャケットのデザインをすることもありました。

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————:CDジャケットの制作で、賞を受賞されたこともありますよね?

稲継:今年、15回を迎える「エンターテインメントパッケージアワード」という音楽CDジャケットのデザイン賞があります。学生限定で競うのですが、専門学校だけではなく、全国の美大・芸大や高校からも応募される大会です。わたしは昨年参加し、アイドルのオムニバスCDジャケットをデザインするという課題で、準大賞をいただきました。全国より1215作品の応募があったなかで選んでいただけたので、受賞の通知をいただいた時はとてもうれしかったですね。さきほど福岡校長が仰った通り、グラフィックデザイン学科は企業と連携した授業や対外的な関わりのなかでデザインを学ぶ機会が多い学科です。パッケージアワードのようなものに積極的にチャレンジするなかで身につく力もあると思います。

 

————:さて本題ですが、昨年の技能五輪「第9回 若年者ものづくり大会」では優勝を果たしました。それについて教えていただけますか?

稲継:「若年者ものづくり大会」は、20歳以下の人限定で、さまざまな技能レベルを競う競技会です。建築や工業製品の設計に使用されるCADや、木材加工、電子回路組み立てなど、14の競技職種があり、わたしはそのなかのグラフィックデザイン部門に出場しました。

 

————:具体的な競技内容は、どのようなものだったんですか?

稲継:「ホエールブック社」という架空の出版社のブランディングデザインをする、というのが競技の課題でした。会社のロゴマーク、名刺、DM、マスコットキャラクター、Tシャツ、5つのデザイン課題を5時間の制限時間内で制作します。その後、デザイン案をもとに、3分間でプレゼンテーションを行います。制限時間がくると、作業やプレゼンテーションが途中でも切られてしまいます。そして、デザインとプレゼンテーションを採点され、その合算で競う、という内容です。

 

————:時間制限がある、というのは厳しい条件になりますね。稲継さんはどのようなコンセプトでデザインをしたんですか?

稲継:「ホエールブック社」は、絵本を出版する会社で、ターゲットはおしゃれに敏感なおかあさんたち、という設定があったので、まずはターゲットの注目を集め、ブランド認知を高めるにはどういったアウトプットがよいかを考えました。そこで、色は明るい青色と黄色を採用し、「ホエールブック社」の名にちなんで、クジラのキャラクターを作成しました。クジラは、口を開けたときの歯が本の束になっているという仕掛けがあります。また、海外の方へも知ってもらえるよう、名刺は日本語と英語を裏表で表記しています。

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————:なるほど。デザインがきちんとロジックに落とし込まれていますね。そのなかで優勝を勝ち取ったと。気持ちの面ではどうでしたか?

稲継:普段は時間に余裕があるなかで制作していますから、とても緊張しました。大会への出場は、先生から挑戦してみないかとお話をいただいたのですが、自信は全然ありませんでした。本当に不安しかなくて。終わったあとはホッとしました。優勝だとわかった時も、あまり実感がなかったです。あでも、やればできるんだなぁって思いました(笑)。

 

————:しかも、今回は優勝した稲継さんだけではなく、準優勝も神戸電子の学生さんでしたね。神戸電子からの出場者は稲継さんと準優勝の樋口さんだけだったので、2人出場して2人が受賞。しかもワンツーフィニッシュ。すばらしい結果です(笑)。

稲継:ありがとうございます。樋口さんとは同じ学科なので、この大会をきっかけにいっそう仲よくなりました。

 

————:それはいいですね。切磋琢磨できる友だちがいるのは、本当に大切なことですから。さて、優勝した稲継さんは夏に開催される「技能五輪国際大会」に、日本代表として選抜されました。開催地はブラジルですね。神戸電子の学生が世界のフィールドで戦ってくれるのは本当にうれしいです。でも、春から仕事ですよね。出場は大丈夫なんですか?

稲継:就職先の企業がとても理解のある会社なので、歓迎して「ぜひ行っておいで」と仰っていただけました。不安なのは英語が苦手なことです(笑)。

 

————:それはよかった。語学力はブラジル行きまでに頑張ってもらうしかないですね(笑)。最後に、今後のデザイナーとしての目標を教えてください。

稲継:正直、いろんなものをつくりたくて決めきれません、というのが本音です。今後は業種を問わず幅広いクライアントとお仕事をさせていただけるので、その業界の背景や企業の描くビジョンを学んだり、多くのことを勉強していきたいと考えています。

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————:頑張ってください。春からの就職、さらに「技能五輪国際大会」でのご活躍を期待しています!本日はありがとうございました。

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「デザイン都市・神戸」創造会議で、未来の神戸を考える

2014.12.30

CATEGORIES:国内 ,神戸

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僕は生まれも育ちも神戸です。我が街神戸を愛する想いが届いたのか、神戸の街づくりを広義な意味でのデザイン的な視点で推進する「デザイン都市・神戸」創造会議の委員をさせていただいています。

この創造会議には、議長の齊木崇人さん(神戸芸術工科大学学長)をはじめ、特別顧問の安藤忠雄さん(建築家)、委員には青木史郎さん(公益財団法人日本デザイン振興会常務理事)や岩田弘三さん(株式会社ロック・フィールド代表取締役兼CEO)、矢崎和彦(株式会社フェリシモ代表取締役社長)、など、産官学からそうそうたるメンバーが招集されています。各業界の第一線で活躍されている方々のお話は、毎回とても刺激的です。

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第二回目の会議が10月に行われたのですが、僕は公開討論のトップバッターとして「神戸の未来の姿」について建言させていただきました。

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いま、神戸市にはさまざまな問題があります。都市デザインの観点では、神戸の「顔」となる玄関口がないこと、都心の機能が弱いこと、街づくりにおいての長期的な展望が確立できていないこと……。まさに「ないないづくし」で、今後解決しなければならないことが山積みです。

こうした課題を片付けていくために、創造会議があるわけですが、会議ばかりが先行し、机上の空論になってはダメだと常々考えています。今回は、ひとつ具体案を提言させていただきました。それは、神戸市役所の南に位置する大型公園「東遊園地」を一面芝生化し、市民のリビングルームとして活用することです。
このアイディアは、同じく米ポートランド市を注目する仲間、神戸モトマチ大学の村上豪英さん、神戸R不動産の小泉寛明さんと議論する中で生まれました。

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都市デザインにおいてまず大切なことは、「誰をハッピーにするのか」ということだと僕は考えています。マーケティングでいえば、「顧客を誰に定めるのか」というターゲットの設定。神戸の街には、主に3種類の人々がいます。ひとつは「神戸市民」、ふたつは神戸への「旅行者」、そしていずれ神戸市民になり得る「移住予備軍」。僕はこの3タイプの人を別々に考えるのではなく、三者が同心円上に共通して価値と見れるものから優先的に取り組んでいくべきだと考えています。

とりわけ神戸には、20代、30代前半で活力ある若い人の昼間滞留人口が少ないのではないか、という疑問があります。当校でも毎年多くの学生が卒業しますが、極端な年は、その就職先企業の所在地として東京・大阪が占める率が半数を超えます。国内のいろんな地域から若い人が集まってくるにも関わらず、神戸ではない出口を選ぶ方も多い。若い人たちがここで働きたいと思えるやりがいのある仕事環境、彼らが精神的な充足を得うる地域生活、いまの神戸が最優先して強化すべきことではないでしょうか。多分、これは東京以外のあらゆる都市に言えることだと思います。

神戸は山と海に挟まれ、有効活用できる土地の限られた街です。東遊園地は都心の一等地にあり、神戸ルミナリエのメイン会場として知られていますが、日頃は有効活用できていません。ここを活性化することで「神戸は変わるんだぞ」という意志を持ったアイコン的存在になるのではないでしょうか。

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具体的な施策としては、東遊園地の芝生化と、Wi-Fiを整備することです。モデルケースでいうと、ニューヨークの「ブライアント・パーク」ですね。ブライアント・パークはWi-Fiが整備されていて、芝生に座ってパソコンで仕事をする人々をよく見かけます。また、冬にはスケートリンク、そしてテニスの全米オープンを誘致し、それらの収益で、上質なイベントが成り立つような試みをしています。市民が公園を活用し、街を所有しているという感覚を持てるような催しをたくさんするということを、行政と一緒になって市民団体が企画をしているんです。そしてイベントを開催し、儲けて、市民のにぎわいをつくっている。このにぎわいによって、素晴らしいお店がたくさんでき、「こんなところで毎日仕事をしたい」と思う、エンジニアやクリエイターがたくさん集まってきています。

五感をフルで働かせて楽しめる環境、クリエイティビティが高い人々の集積、革新的な仕事による高収入、そして、適度に非日常的な集約点となる場があること。これらが揃うと生活していても楽しいし、更に期待する人達が集まってくると僕は考えています。

場づくりを通じて、新たな産業をどんどん呼び起こせる、もしくはクリエイトできる……神戸はそんな街になってほしいなと思います。

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砂漠に現れる7日間だけの都市 バーニングマンを再考する

2014.12.22

CATEGORIES:海外

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本夏、2年ぶりにバーニングマンへ。 今回はpixiv代表の片桐さんをはじめ神戸と東京のキーマンと呼べる皆さんとの8人で参加し、中々に濃い時間を過ごしました。

さて、「バーニングマンって何?」という方のために簡単に解説をしますが、これがとても難題です。誤解を招くことを覚悟で言うと、アメリカの西部、ネバダ州の荒涼とした砂漠に一週間だけの街を築き、7万人に迫る人々が資本主義・貨幣経済の価値から脱して生活を共にし、最終日には街の象徴となるアート作品を燃やして無に返す、跡形もなく消えてしまうアート・イベント。

正直、何を言っているのかサッパリですよね。でも、実際に足を運んで、その目で確かめた人も「バーニングマンが何であるのか」、うまく咀嚼できる人はそういないはずです。それほどバーニングマンは特有の体験であり、もうバーニングマンとしか言いようがない……。

会場となるネバダ州のブラックロック砂漠は、電波も通じず、電気も水道もガスもない、アルカリ性の砂塵が舞う荒れ地です。何にもない場所に期間限定の街がポッと現れ、そこへ世界各国からアーティストや経営者、文化人にダンサー……多種多様な人々がやってくるわけです。Facebookの創業メンバも参加し、amazonの会長はここで結婚式を上げ、電気自動車のTESLAモータースを成功させたイーロンマスクもここへの道中に太陽光発電を意識したとのこと。世界を席巻するサービスやプロダクトを創っている人々が集まっているんですね。このイベントの主催者側が用意してくれるのは、自然環境保護のための仮設トイレと、食料の鮮度を保つための氷のみ。それ以外のすべてのもの、生命を維持するための水や食料、昼夜の寒暖差に耐える衣類や燃料、激しい砂嵐から身を守る住居などを、自らの責任で用意しなければなりません。本当のサバイバルです。

それでも、ここに集まる人たちの多くは、自分のパフォーマンスやアート作品のために、大量の音響機材や巨大な火器等をトラックに積み込んでやってくる。もちろん、資材やそれを運ぶ交通費は自分もちで、一週間にわたり、信じられないほどの手間をかけて非日常的な世界をつくるのです。

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誰かが巨大なインスタレーション作品を創作しているかと思えば、その隣では素っ裸のダンサーが踊っている。ハンモックで寝そべりながら真剣な表情でディベートが行われる一方、レーザーや電飾の光を暗闇に照らしながら夜通しで大騒ぎをしている。目に映るすべてが普段の生活とは乖離していて、思わず目がクラクラするほどの異世界が、そこにはあります。

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バーニングマンの大きな特徴のひとつに、「お金を使うことができない」というルールがあります。ここでは1万円もただの紙切れ。何日目だったか、同行者のひとりがトイレに行く途中、「これで拭きな」と10ドル札を渡されたのだそう。ここではお金があっても、何ひとつ手に入れることができないのです。

その代わりに、バーニングマンの世界は、何をするにも「ギブアンドギブ」の精神で成り立っています。僕らは味噌汁を振る舞う知人のキャンプで過ごしたのですが、お金は一切いただきません。普段は高価なチケットを買わなければ楽しめないアートや音楽も無料で楽しめます。要するに、お金に頼らず、互いが与え合うなかで社会生活を成り立たせよう、という試みなのです。贈与経済の社会実験場といえるかもしれません。

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バーニングマンの根底には、「NO SPECTATOR(傍観者になるな)」という合い言葉があります。自分以外のすべての人々を楽しませるために行動しろ。世界をまたにかけるミュージシャンも、ニューヨークの会社員も、神戸の学校長も関係なく、みんなフラットな立場のエンターテイナーとなって、自分以外の者を楽しませる。利益も、地位も、名声も、外の世界に投げ捨てて、どうやったら残りの6万9999人を楽しませることができるのか。それだけをみんな考えているのです。

そんなバーニングマンの終わりは、唐突に訪れます。イベントの由来ともなっている巨大な木製の人形「MAN」を焼くことで終焉を迎えます。7万人の参加者が見守るなか、MANに火が着けられ、大きな炎をあげて散ってゆく光景は、ひとつの世界の終わりを感じさせるほどです。豪快に、荘厳に、そして、あっけらかんと燃えていく。MANが灰と化し、東の空が明るんでくるころ、「また来年」と言って人々は現実の世界へと帰ってゆきます。

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そして、ひとつのゴミも残さず人々が消え去り、荒涼としたいつもの砂漠の風景に戻るのですが、その変様ぶりは、まるで幻を見ていたかのよう。しかし、参加者は心の傷を負ったかのように鮮烈な感情を刻み込む、それがバーニングマンです。

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うーん、僕の説明では、これっぽっちもバーニングマンのリアルを表現できている気がしません(笑)。今年の参加者で、報告会をやりましたのでその様子もまたお知らせします。そこに参加された在校生の保護者の方が、次回参加を決意しておられました。まず必要なのは「自分がバーニングマンを楽しませてやろう」という心意気。人生を変える7日間というものが有るとすれば正にの集約点にあなたも参加してみませんか。傍観ではなく。

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