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”人は寝ている間も、外に出かけている間も、ずっと人が造った構造物と共に有る” 30年以上前に私が聞いた言葉です。これは今もあてはまることですが、現在はこれに加えて、人々の生活は四六時中、ITと共にあると言えるのではないでしょうか。
「IT」と聞いて、みなさんはどんなことを思い浮かべますか?
ITは我々にとって驚くほど身近な存在です。スマートフォンのタッチパネル、駅の電光掲示板、自動車の自動制御装置……数えきれないIT技術の結晶が、身の周りにあり、人々の生活をより便利に、より楽しくしてくれています。つい最近では、3Dプリンタで制作した心臓の移植に成功したというニュースが話題になりました。SFやファンタジーの世界でおなじみの透明マント(いわゆる光学迷彩)も精度が上がってきています。ほんの数年前までは考えられなかった未来が、現実になってきている。今回は、そんなワクワクが集結したイベント「神戸ITフェスティバル」について書きたいと思います。
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神戸ITフェスティバルは、IT界の有識者や企業、学生、地域が連携してITを軸にお互いがつながることを目的としたお祭りです。神戸のIT系の催しのなかでは最も盛り上がるイベント。企業や学校のブースでは、それぞれが開発したプロダクトやサービスを体験することができ、専門的なセミナーなども開催されています。ワークショップや体験型のゲームも充実しているので、2日間の期間のなかで、ITに関わる人はもちろん、「面白そうだから来てみた」という一般の参加者もたくさん訪れます。今年のテーマは「手を伸ばせばつながる未来」。IT技術と地域をつなぐ、このフェス自体のコンセプトにぴったりのテーマだと感じました。
神戸電子は神戸ITフェスティバルの開催当初から、ブースを出展しています。当日は、IT分野の学生が開発したアプリケーションと、毎年、学年末に開催されるデジタルワークス(神戸電子の成果発表会)の様子をキャプチャ動画で展示。また、IT分野の学生たちは各ブースを見学したり、セミナーを受講したり、ITに関する見聞を広げる1日となりました。
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隣のブースでは、神戸情報大学院大学の学生が制作した「ラジコンクアッドコプター(AR drone)」を展示。これは脳波でクアッドコプター、つまり小型のヘリコプターを飛ばす装置です。集中力が鍵となりますが、人間の意思によって遠隔でクアッドコプターを動かすことができるので、たとえば火山や災害現場の調査や撮影など、今後大きな成果が期待できるといわれています。午後からは会場の外で院生によるテスト飛行が実施されました。風の影響などもありましたが、脳波の制御によってヘリがふわふわと浮いている様子は、まさに「未来がやってきたな」と予感させるものでした。
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また、今回のフェスには、裏方としても神戸電子の学生が関わりました。IT分野の学生の一人は、昨年からこの催しのスタッフとして参加。今年は、各ブースのバックヤードをつなぐネットワークケーブルの点検と調整に開場を走り回ってくれていました。
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今年の見どころのひとつは、神戸ITフェスティバルとのコラボレーションで、アニメーション制作会社の「Production I.G」がアニメ映画「攻殻機動隊 ARISE」のブースを構えていたことです。攻殻機動隊は神戸市が舞台であることから、このような企画が実現したそうです。作中に登場する多脚戦車の大型模型は、撮影時のフラッシュのオンオフで色が変わる特殊な仕様で、来場者の注目を集めていました。
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他には、特別講義でお越しいただいた青木さん率いるユカイ工学さんの製品で緊張とリラックスの脳波に反応して耳が動くネコ耳型のおもちゃをはじめ、3Dプリンタで製造したアクセサリーショップ、カードに描いた絵を読み取って画面上でバトルができるゲームなど、ITテクノロジーを用いた魅力的なプロダクトやサービスにたくさん触れることができました。
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2006年度のグラフィックデザイン学科卒業生が制作に携わった「撃墜王ゲーム」も有りました。
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学生諸君には、こうしたイベントで新しい技術や素晴らしいアイディアと出会い、触発され、更なる「便利さ」や「楽しい」を生み出せるクリエイティブ・エンジニアになっていただきたく思います。