6/20 (土)13:33~

東映アニメーション、野口氏による『楽園追放』メイキングセミナー開催

ヒット作『楽園追放』を題材に映像作品のワークフロー解説。業界就職に役立つアドバイスも満載!

2015/6/20(土)、東映アニメーション株式会社から野口光一氏が来校し、プロデューサーを務めた『楽園追放』を題材にVFX(Visual Effects:映像制作における特殊効果)作品の制作について、をテーマに3DCG・アニメ分野の業界セミナーを開催されました。

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一つの映像作品がつくられるのに、どのような人たちがどんなプロセスで携わっているのか、その全容を知る機会はなかなかありません。野口氏はアニメ制作の職種と役割について、制作ワークフローにムービーを織り交ぜて分かりやすく解説。モデリング、アニメーション、エフェクト、プログラミングなど、数多くの過程でさまざまな職種のスタッフが関わっていることが分かります。『楽園追放』のメイキングでは、CGで描かれたキャラクターのラインを整理してセルライン(セル画のように見えるライン)を表現する方法など、数々の細かな技術が紹介されました。

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© 東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサイエティ

また、学生たちが今後映像業界を目指すにあたり、貴重なアドバイスもありました。今は、スタッフが100人を超える規模の制作会社ではほとんどが分業体制になっています。ワークフローの中の限られたプロセスだけを専門に手がける会社もたくさんあります。従って、自分は何が得意で何がやりたいのか、モデリングなのかアニメーションなのかグラフィックなのか、まずそれがはっきりしていないことには、会社を受けることすらできない、と言います。自分にできることを見極め、ふさわしい会社を選び、その職種に応じたポートフォリオをつくることで初めて就職活動が成立するわけです。

映像作品をつくるときに最も大事なのはテーマ。テーマは作品の原動力になるものなので、しっかりと設定する必要があり、採用の際に作品を見るときもテーマが明確かどうかを見るとのことでした。野口氏の話には、ほかにも学生の就職活動を視野に入れた重要なヒントがたくさん散りばめられていました。

セミナー終了後は個別作品指導を希望する学生1人1人に対し、丁寧にご指導いただきました。

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世間で幅広く、永く受け入れられる人気キャラを生み出すのが仕事。ぜひ一緒にチャレンジしてください!

東映アニメーション株式会社
プロデューサー
野口光一氏

技術の話になるとつい専門用語が入ってしまい、高校生にはうまく伝わったかどうか少し不安でしたが……食い入るような学生さんたちの視線に、非常に熱意を感じられました。たくさんのプロセスを分業で、非常に手間ひまかけてつくられていることは分かってもらえたと思いますが、もしきつい仕事だと思っている人がいたら、それは誤解です。当社でも特に最近は、各個人が自分の裁量で仕事時間を決め、自由に帰っていますよ。徹夜なんてとんでもない。みんなが頑張っているから帰れない、なんていう雰囲気も皆無です。

将来的にはオリジナルCG映画の大ヒット作をつくりたいと考えています。例えばドラえもんのように誰からも愛されるようなものです。ゲームを中心としたメディアミックスの成功例のように、映画やアニメを中心としたメディアミックスにもチャレンジしてみたい。かつてのドラえもんやウルトラマンのような絶対的人気キャラクターを今後また生み出していくのが私たちの仕事。一緒にチャレンジしてくれる人を期待しています。

関連リンク

東映アニメーション公式サイト
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