8/9 (日)13:00~

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズ」を手がけるカラーによるアニメ・3DCG業界セミナー開催

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズ」を手がける株式会社カラーによる、3DCGアニメセミナー「いいアニメスタッフになるためには」?!

2015/8/9(日)、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズ」の制作で知られるカラーの小林浩康氏にお越しいただき、3DCG・アニメ分野の業界セミナーが開催されました。
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小林氏は3DCG制作を主に手がけるデジタル部に所属。作画アニメのよさを取り入れつつ、よりよい3DCGアニメーションを目指すのが同社のアニメづくりだと言います。セミナーでは、「いいアニメスタッフになるためには」というテーマで、今どのような考え方でアニメをつくっていくべきなのかをお話いただきました。
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■カラーが制作を手掛けた作品をムービーで紹介

最初に触れたのが「お金」の話。アニメーターの場合、動画を経て原画担当になると賃金はどれくらいか?3DCGならばどれくらいか?など、学生が最も気になる部分を明かし、決して世間で(悪く)イメージされているような給与体系ではないと強調。次に「アニメ業界は実は大ピンチ」であるという話から、「でもアニメCGにとっては大チャンスである」という話へ。アニメはテレビ・映画合わせて本数が多く、作画アニメは大変忙しい現場となる一方で、3DCGは個人のデッサン力のばらつきが少なくクオリティが均一化できる上に、作画の現場よりスケジュールコントロールが容易になり、人手の省力化、省コスト化も可能だといいます。
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こうして今後アニメ業界はどんどん変化していくわけですが、そんな中求められるのはどんな人材なのか、にも話が及びます。小林氏は、「最も必要な能力は運です。運の良し悪しは仕方がない」と言い切りながらも、その運が来るべきときに対して準備をしておくことが本当は一番大事だと語ります。

絵画的素養のための継続的なトレーニングはその基本であり、情報収集や徹底したリサーチ力も必要です。同社がウェブ配信する「日本アニメ(ーター)見本市」で公開されたオリジナルアニメ「Hill Climb Girl」が紹介され、3DCGによる描画、人の表情やモノの質感、写真をベースとした背景の表現の仕方などの解説もあり、将来のアニメ制作を目指す在校生・高校生にとって刺激に富んだ時間となりました。
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■「日本アニメ(ーター)見本市」で公開されたオリジナルアニメ「Hill Climb Girl」のワンシーン

セミナー後は小林氏が制作タイトル関連のグッズを「じゃんけん大会」にて、学生たちへプレゼント。レアなお宝グッズ満載で学生たちは大興奮。会場内はセミナーと同じくらいの熱気に包まれていました。
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また、個別質疑や作品指導を希望する在校生たちに対し、1人1人丁寧に指導、受け答えをしてくださいました。
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 今後アニメはどんどん変わっていくが、「みんなでつくる」という考え方は変わらない!

株式会社カラー
デジタル部/CGI監督
小林浩康氏

アニメが大好きで、アニメをつくりたい!と思ってこの世界を目指す方々に、「イメージされているほどきつい業界ではないよ!」と安心してほしい気持ちが私の中にありました。楽な商売ではないことは、皆さんもある程度分かっているとは思いますが、はじめにお金の話をしたのも、やはり安心してほしかったからです。今は、将来能力が生かせるように、しっかり作画の技術を身に付けてほしいと思っています。3DCGは何でもできると思われがちですが、意外と自由度が低いんです。作画でないと表現できないこともけっこうあります。踏まえておいてほしいのは、今後アニメはどんどん変わっていくということ。業界には天才的な技術やアイデアを持った人が確かに存在しますが、その人一人ではつくれないし、アニメ制作はそんな一枚岩的な仕事じゃない。いろんな人が一緒になってつくるものであり、そういうやり方が必要とされています。どんなにアニメが変わろうと、そこの部分は変わらないと思います。

関連リンク

カラー公式サイト
3DCGアニメ―ショーン学科

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