7月24日、本校北野館5階ドームホールで、作曲家の伊藤 賢治氏、佐野 信義氏によるトークセッションが行われました。ゲーム音楽の作曲をはじめ、さまざまなミュージックシーンで業界を牽引しているお二人の軽妙なトークと業界情報に、会場は熱気に包まれました。業界に入った経緯、音楽づくりに取り組む姿勢、仕事のやりがいなどについて、興味深いお話を聞くことができました。
「攻め」の精神を忘れなければ、必ず道は開けます。
何よりも、ゲームユーザーが喜んでくれることが一番です。「仕事の感動」で思い出すのは、自分の曲がダイナミックなオーケストラの演奏になった時かな。震えがきました。僕の若い頃はラジオが手放せない毎日で、いつも新曲紹介や作曲家のインタビュー、DJの解説が流れるFM放送を24時間聴いてツマミ部分がボロボロ(笑)。皆さんも、それくらい多くの音楽・情報に触れてほしいと思います。演奏技術は上達するにつれて、自分の未熟さがイヤになってくるものですが、それは成長の証です。神戸電子に来て、ゲーム音楽が好きな者同士、気持ちを共有・連帯して、「攻め」の精神を忘れなければ、必ず道は開けます。
作曲家/gentle echo主宰 伊藤 賢治 氏
●プロフィール
4歳よりピアノを始める。(株)スクウェア・エニックスでゲーム作品の音楽を担当。現在、フリーの作曲家として活動中。代表作は「ファイナルファンタジー外伝聖剣伝説」「ロマンシング サ・ガ」シリーズなど多数。
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何か一つでいいから、自分の“お気に入り”を見つけられたらOK。
僕は、とにかく楽しいことを考えて仕事をしています。プラス思考なら、周囲も盛り上って相乗効果が得られるし、いいアイデアや曲が浮かび、モチベーションも向上します。だから今も、最高の気分(笑)。今の若い人は大変だなと思うのは、いろんな楽器や機材を試そうと思えば、全部経験できる環境が揃っていること。「あれもこれも覚えなくては…」と思ってしまうんじゃないかな。もし、内心焦っている人がいたら、「何か一つでいいから、自分の“お気に入り”を見つけられたらOK。それに没頭して楽しむことがすべての始まり!」と言ってあげたい。長い間、独学のシンセ1台で作曲・演奏してきた僕が言うのだから、大丈夫。
作曲家/プロデューサー 佐野 信義 氏
●プロフィール
佐野電磁の名前でも知られるゲーム音楽の作曲家。(株)バンダイナムコゲームスのサウンドチームに在籍。「リッジ レーサー」シリーズ、「鉄拳」シリーズのコンポーザーとして活躍。開発プロデューサーを務めた、ニンテンドーDS用シンセサイザー「KORG- DS10」を使ったライブ活動も話題に。
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