【イベントレポート】 YMCKライブ&サウンドセミナー(前編)

学校からのお知らせ

2011.05.20

2011年5月29日「神戸電子専門学校」ソニックホールにて

この日は、神戸電子専門学校を会場にしてのACF(アジアコンテンツフェスティバルin神戸)ゴールデンウィークスペシャルの初日。
そのスペシャルゲストとして参加した、YMCKにより、ライブ&サウンドセミナーが行われました。

この日のライブでは、YMCKならではの映像とシンクロした楽曲に加えて、iPadを利用したパフォーマンスも行われました。
セミナーでは、音楽づくりと連動したiPhoneアプリや、アニメ制作のお話を伺いました。

-素敵なライブをありがとうございました

YMCK:こちらこそありがとうございます

-今日来てくださってるお客様の皆さんはサウンド系に興味のある方々、学生の方々が多いと思いますが、
今日のライブを観て刺激になったと思うのですが、その辺を中心にお話お聴きしたいと思います。
まずやっぱり一番ビックリするのがiPadを使った演奏。それから、ファミコン的なアニメーションですね。
これら、全部YMCKのメンバーが作られているという所が凄いと思いました。メンバー間の担当など、改めてご紹介いただけますか?

除村:はい、僕が、サウンドとさっきのiPhoneアプリのプログラミングをやってます除村です。

栗原:ボーカルの栗原です。主に二人がちゃんと仕事しているか見張っています(笑)。

中村:映像を担当してます中村です。

●音楽とプログラミングはひとつのもの

-まず最初にお伺いしたいのがiアプリですね。実際どういうきっかけで作り始めたんですか?

除村:非常に技術者っぽい感覚と言いますか、元々僕が、プログラミングが好きなんですね。
普通に80年代のパソコンのイメージって皆さん浮かびますか?えーっとですね、
僕はそういう世代なんですけども…

栗原:マウスがなかったよね。

除村:そう、マウスがないんですよ。それで立ち上げると画面に「ok」とか
出てくるんですよ。「ok」ってどういう意味かって言うと早くプログラム打ってください、
っていう意味なんです。それで自分で文字でプログラムを打って、グラフィックを描いたり
計算をさせたりっていうそういう作りになっているんですね。

-そういう時代でしたね。

除村:で、プログラムを書いたら、それが動く。それが面白いなって思っていたんですね。でも、しばらくWindowsつかっていたんですけど立ち上げるとokが出てこなくなったんですよ

全員:(笑)

除村:しばらくプログラムから遠ざかっていたんですが、iPhoneのアプリが自分で
作れるらしいっていう話を聞いて、調べていたら開発環境がダウンロード出来ると
わかりまして、そこから始めるきっかけになりました。

-除村さんは音楽畑の方っていうイメージで捉えていたのですが、それとプログラミングを
する、という技術者的な部分は両立しているものなんですか?

除村:僕の中では割と一つのものですね。打ち込みの音楽っていうのは音に理系の
感じを持ち込む事があるんでう。打ち込みの音楽している人ならわかると思うんですが、ツールの使い方を覚えて数字でアサインを指定したりですとか、僕の中では同じ分野に入っていると思います。

-ちなみに会場に来ていらっしゃる方でプログラミングに興味のある方いらっしゃいますか?

(会場挙手)

-チラホラいらっしゃいますね。やっぱりちょっと近い物があるんですかね?

除村:たぶんそうですね。YMCKの音楽でいうと、ファミコンっぽい音を作るのに、
専用のプラグインソフトも作っています。

-音楽そのものをプログラムから作られるんですね。

除村:それがYMCKの音の大部分になっていまして、Macをお持ちでしたら
ガレージバンドが入っているのでそこにインストールしてもらうとファミコンの音が
Macで作れるようになります。(※1参照)興味がありましたらダウンロードして
いただければと。

-こちらは、ご自身のために作られたのですか?それともファンサービスですか?

除村:実際自分のためなんですけど(笑)。普通のシンセにはファミコンっぽい音って
割と入ってはいるんですよ。ピコピコみたいな。それだけだとちょっと……
なにか物足りない感じなんですよ。

-こだわりがあると。

除村:そうなんですよ。ベースの音だと、低音がギーギー言って音割れしちゃうのとか、
ノイズをだしたときにドカーンって荒々しい音になる、そういうファミコン特有の音が
出せるシンセはないんですよ。それで作るしかないかなって思いました。

-ご自身のために作ったけどシェアしちゃおうと。いい話ですね。ちなみに、
そういうものを開発する際は、YMCKの活動として、他のメンバーにご相談するんですか?

●YMCK流プログラミング入門

栗原:いや、いつも勝手に作ってて。出来上がってから知って「いいんじゃない?」(笑)
って感じですね。

除村:だいたい勝手に作り始めます。作る前から相談しようとしてもものがないので
伝わりにくいのでとりあえず作ってみようみたいな。

-デモテープみたいな感じですね。

除村:そうですね。プログラミング組んでプロトタイプですね。面白いね、と言われたら
続きを作ります。

-プログラミングって実際どういった行程でつくれるんですか?相当音楽の作り方とは
根本的にだいぶちがうと思うので、客席にいらっしゃる方が実際にトライするとしたら
一から勉強するしかないですよね?

除村:まあそうなりますね。基本的にMacだと、デフォルトでついてるものがあるので、
それを試行錯誤しながらやってます。最近は結構サンプルがついたようなデータの
ソフトが結構あって、それをサンプルに改造する。そうすれば多少の知識があれば
結構できちゃいます。

除村:あと最近googleの凄さを思い知ってます。わからない事があれば検索で
できちゃうところが凄いですね。例えばプログラミングで、ウィンドウを半透明に
どうやってするか、そういう課題が出たときにgoogleで検索すると出てくるって言う(笑)
そういうのをみながら開発してます。

-一緒に開発される方はいるんのですか?

除村:いや、全部ひとりでやりますね。ちょっとしたサンプルを手に入れてそれを
少しずつgoogle先生に問い合わせしながらやっていくと結構できます

-音楽関係の方でプログラムと作曲やってる方はほかにいらっしゃるんですか?

除村:あまりきいたことないですね。たまたま80年代の記憶が今生きているというか(笑)


[プロフィール]

YMCK

栗原 みどり:ヴォーカル/作曲

除村 武志:作詞/作曲/アレンジ/サウンドプロデュース

中村 智之:映像/作曲

男女3人から成る8bitミュージックユニット。

2004年に発売した1stアルバム「ファミリーミュージック」の大ヒットをきっかけに、
幅広い世代の支持を受ける。また国内のみならず、フランス、スウェーデン、オランダ、
米国、台湾、タイ、韓国等、8カ国以上で国際的なフェスやイベントに出演。
映像と完全にリンクしたユニークなライブパフォーマンスは、世界的にも高い評価を
獲得している。

CDリリース以外にも、楽曲提供、映像制作、リミックス、
DJパフォーマンス、ゲームサウンド・プロデュース、音楽制作ソフトウェア用の
8bitサウンド・プラグイン「Magical 8bit
Plug」やiPhoneアプリ「YMCK Player」の開発など、国内外において幅広い活動を
展開している。

コラボプロジェクト:浜崎あゆみ/いきものがかり/DE DE
MOUSE/東京女子流/小学館コロコロコミック「お菓子刑事」/米ケーブルチャンネル・ニッケルオデオン「YO GABBA
GABBA」/バンダイナムコゲームス「太鼓の達人」/任天堂「PiCOPiCT」/SCE「塊魂TRIBUTE」/TX系アニメ「アラド戦記」ほか多数

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