2013/12/3(火)、本校校長主催の「校長セミナー」の第2弾として、連続起業家の家入 一真氏をゲストに迎え、特別セミナーを開催しました。
テーマ「仕事と幸福度」について
家入氏は2003年にpaperboy&co.(現:GMOペパボ株式会社)を設立し「ロリポップ!レンタルサーバ」や「ムームードメイン」などのサーバ事業を展開。当時は敷居の高かった「自分でサーバやドメインを取得する」ことを、より安く手軽にできるサービスを展開。
2008年に、株式会社paperboy&co.をジャスダックに、史上最年少(当時家入氏は29歳)で上場を果たしました。
その後、paperboy&co.を退職しカフェやクラウドファンド、ネットショップサービス、若者への企業支援など次々と新事業を展開。『お金が教えてくれること』などの書籍も執筆しています。
さまざまな経験から、「幸せとは、働くとは何だろう」と考えるようになり、その問いと答えが今回のセミナーのテーマに繋がったとのこと。
※満員になった会場。本学の学生や教職員だけでなく、一般の方も多数来場。
働く場所について家入氏はこう語ります。
「当時は東京に行った方が、同じ世代の起業家もたくさんいて面白いと感じた。
しかし今は、面白いことをしている人が東京以外にもたくさんいて、特に東京でなければならないと感じなくなった。
また、全国いろんなところに行ってみて、その場でしか見られない景色や人にたくさん触れることができた。全ての面白さが東京に集まっているわけではないと感じる。また、東京は物価も高く、起業する以外の基本的な生活費だけで精一杯になってしまうのでは。」
もっと人脈は広げておくべき。
新しい仕事の場、シェアハウス「Liverty」
「Liverty(リバティ)」とは、同じ目的を持つ人が集まって、住む場所をシェアすることで生活費を押さえつつ、新しいビジネスやウェブサービスを立ち上げるための場。メンバーは大学生や社会人・フリーター・起業家などさまざまです。
「Liverty」の立ち上げ経緯として、「今の世の中は不安定な時代。会社に入っても、生涯安定して生活ができるとは限らない。大学や会社にいる間に、それ以外の人脈を作る場所ができないかと考えたのがきっかけ」だと語る家入氏。
身近な人のためにできる小さな事から始めよう
気軽にネットショップが持てるサービス「BASE」
「Liverty」から生まれた事業のひとつに「BASE」というサービスがあります。
「BASE」は初期費用・月額利用料無料でネットショップを開くことが出来るサービス。
そのきっかけは、開発者の母親が手がけるアパレルブランドのオンラインショップ立ち上げを依頼されたことでした。
既存のネットショップサービスは、契約料が高かったり、設定が多すぎて複雑だったりと敷居が高かったようです。
それをもっと簡素にできないかという課題を解決していく内に、自分の母親以外にも同じ悩みを持っている人がたくさんいるはずだ。
と、この事業を立ち上げたそうです。
家入氏は、起業する人へのアドバイスとして、「身近な人のための小さなことから始めること」を強調しました。
「小さなことはリスクも小さい。また、身近な人のために作ったサービスは、例えビジネスとして成功しなくても、身近な人の役には立っているはずだから。」とのコメントも。
本校校長との記念撮影
「仕事と幸福度」について
幸せのモノサシを持つこと
最後に今回のテーマである「仕事と幸福度」について、まとめのコメントをいただきました。
「お金がないと嘆く人が多いけれど、逆に一体いくらあればいいのかをちゃんと考えていない人が多い。
昔は、三種の神器(テレビ・クーラー・自動車)を揃えること(=それを買うためのお金を得ること)が幸せだと思われていたが、今は違う。一日中ネットを見ているだけで幸せと思う人もいるわけで、人によってそれぞれの幸せの在り方は違う。
自分の中に「幸せのモノサシ」を持つことで、無闇にお金を稼ぐため、つらい仕事をする必要がなくなる。お金の稼ぎ方も、会社に入る以外にもいろんな道がある。そのひとつを示すことができればと考えている。」
最後の質疑応答では、新しい事業を起こしたいと考えている人や、将来の悩みを持つ学生からの質問など、幅広い内容にお答えいただきました。
関連リンク
・家入 一真氏Twitter
・liverty | Live in liberty. 自由に生きろ
・BASE(ベイス) | ネットショップが無料で簡単に作成できます
・神戸電子校長ブログ「温故創新」