神戸電子専門学校を卒業し、株式会社ジェー・シ―・スタッフ(作品:「とある科学の超電磁砲S」「リトルバスターズ」「バクマン」など)に入社。数々の人気作品に携わっている村上 雄さん、野上 良之さん、岡田 宗樹さんに学生時代のことや現在の仕事内容についてお話いただきました。
野上 良之さん(写真左)
アニメーター/動画検査:トヨタ工業学園出身/愛知県
在学中、担任の先生に厳しく追及された「絵を描くことへの心がけ」を胸に今も日々作業しています。
村上 雄さん(写真中央)
アニメーター/作画監督:鳥取城北高等学校出身/鳥取県
キャラクターをどこから撮っても、その画面を描きこなすのがアニメーションの役割です。
岡田 宗樹さん(写真右)
アニメーター:神戸甲北高等学校出身/兵庫県
初仕事で、エンディングのテロップに自分の名前を見つけた時は最高でした!
Q.現在のお仕事内容を教えてください。
村上さん:作画を担当しています。絵コンテをもらい、演出に合わせて画面のレイアウトとキャラクターに動きをつける。その後、指示された修正をして原画として仕上げる仕事です。
野上さん:商業アニメーション制作。動画検査補佐として動画の作成やチェック、修正を行なっています。
岡田さん:動画を担当しています。動きの基になる原画の間を描いていくお仕事です。原画の絵から動きを読み取り、自分で考えながら動きを作っていくことが求められます。
Q.現在のお仕事を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
村上さん:高校時代にすごく好きなマンガがあって、そのマンガがアニメになりました。キャラクターに動きと声がつくと、まるで生きているように見えました。もともと絵を描くことが好きだったこともありますが、このアニメを見てこんな仕事ができたらいいなと思ったことがきっかけです。
野上さん:子供の頃から映像が好きでした。アニメや映画を観ていて、自分が感じたことを人に伝えることができたらどんなにいいだろうと思い、この仕事を選びました。
岡田さん:きっかは神戸電子専門学校のオープンキャンパスに参加したことです。アニメが作られる工程を見せていただき、たくさんの人の力でひとつの作品が作られることを知り、自分も作ってみたいと思うようになりました。
Q.神戸電子専門学校での日々の授業の中で何を学び、また、それが現在のお仕事にどのように活かされていますか。
村上さん:“デッサンが大事”と教えてもらい、実際に就職してからも“デッサンは重要”と感じました。
野上さん:アニメーションだけでなく、映像全般の構成についても学べたと思います。また、絵を描くことへの心がけを担任の先生から教わりました。
岡田さん:アニメーションの基本となる「デッサン」やアニメーターに必要不可欠となる「トレス」などの必要不可欠なことを教えてもらいました。
Q.神戸電子専門学校で経験した学びのプログラムや学習環境の中で、「これは神戸電子ならではの取り組みだった」「他の専門学校では得られない環境だった」と思えるのはどんなことですか?
野上さん:教職員の方やかけがえのない仲間に出会えたことです。今でも共に学生生活を過ごした仲間のことを考えると、がんばろうと思えます。
岡田さん:就職活動時には、担任の先生に毎日面談をしてもらいました。相談や面接練習にも手伝ってくださいました。
Q.神戸電子専門学校で過ごした日々の中で、自分自身の「ターニングポイント(転機)」をあげるとしたら、いつの、どんな出来事ですか。
野上さん:1年の後半、アニメ作品制作時に監督を務めたことだと思います。リーダーをする機会は多くなかったので、いろいろな障害を乗り越えてチームを前進させるために決断力が身についたと思います。
岡田さん:最初のクラスメイトとの顔合わせのような気がします。今、振り返って考えても、自分一人ではここまでくることはできなかったです。本当にいろいろな方に助けられてここまでこれました。
Q.就職活動にあたって、教職員の方からどんなサポートを受けましたか。
野上さん:毎日、就職に向けてどう行動するのかを担任の先生に「報告」「連絡」「相談」していました。おかげで、気を引き締めて就職活動に取り組むことができました。
岡田さん:面接やマナーの指導を受けました。最初は不慣れで、注意されることばかりでしたが、回数を重ねることで少しずつでもできるようになってきたと実感しました。
Q.現在のお仕事をするうえで、心がけていること、こだわりを教えてください。
村上さん:キャラクターの動きを作る時は、演技や仕草がわかりやすく画面に出るように心がけています。
野上さん:品質を少しでも上げていく努力をすることです。
岡田さん:人物、物体を立体的に考えて動かすことです。こだわりはキャラクターの表情を大切にすることです。
Q.現在のお仕事で「やりがいを感じた」「気づきや学びがあった」と思えるエピソードがあれば具体的に教えてください。
村上さん:自分が考えたキャラクターの演技が放映されるのを見ると、やっぱり“やっていて良かった”とやりがいを感じます。
野上さん:描いている時に上手くなったと感じる瞬間があります。その瞬間はとてもうれしいと感じます。
岡田さん:毎日、驚きの連続で学ぶことばかりです。「動き」には必ずという正解がありません。どのように動かせば、より良く見えるのかを考えて作業しています。また、初仕事でエンディングにテロップに自分の名前が載ったときは嬉しかったです。
Q.今後の目標を教えてください。
村上さん:アニメはキャラクターに演技をさせる、動かすこともおもしろさのひとつ。まるで生きているように描けたらいいなと思っています。
野上さん:原画マンになることです。
岡田さん:今の仕事は「動画」ですが、今後は「原画」というポジションになれるようにがんばっていきたいです。
Q.今この業界を目指して、専門学校で学んでいる学生へのアドバイスをお願いします。
村上さん:在学中はデッサンに重きをおいていました。デッサンができないと話にならないので。キャラクターがどこを向いていて、カメラがどこから撮っているか、などを考えて描かないといけませんから。デッサンはどれだけやっても、仕事に就くとまだ足りないと思わされます。また、学生時代にたくさん遊んでおいてください。遊びの中で仕事に活かせることもたくさんあります。おもしろいものを作るためには、おもしろいことを知っておいた方が良いですよ。
野上さん:スタートの合図は鳴っています。思考を止めず、日々を大切に過ごしてください。継続は力なり!
岡田さん:大変なことや苦労することがあっても、いちばん最初に思った「この業界でこの仕事をしたい」という気持ちを思い出してがんばってください。
関連リンク
・株式会社ジェー・シ―・スタッフ
・神戸電子 デジタルアニメ学科のページ
・体験入学&オープンキャンパス