【3月-6月開催・3DCG業界セミナーレポート特集】カナバングラフィックスの代表/ディレクターが語る、CGアニメーション「ウサビッチ」のワークフローとメイキング

学校からのお知らせ

2015.06.30

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特別なことは何もしていません。一つひとつの工程を丁寧に積み上げることが一番大事です

2015/3/28(土)、有限会社カナバングラフィックスの代表取締役であり、ディレクターも務める富岡聡氏が「ウサビッチ」のメイキングセミナーを開催しました。

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CGアニメーション「ウサビッチ」は、プーチンとキレネンコという2羽の刑務所暮らしのウサギが繰り広げる、オーソドックスな楽しさを持った、ほのぼのとした日常生活を描いた90秒のショートコントです。今回はこの「ウサビッチ」を中心に、同作品の生みの親となった富岡氏が、企画、脚本、CGといったワークフローについて詳しく解説しました。

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とぼけたキャラクター、毒のあるキャラクターなどを絶妙に表現している「ウサビッチ」のデザインは、見れば見るほど味わい深いものです。デザイナーから上がってきたデザイン案をもとに企画書をつくり、脚本が完成したら絵コンテに入ります。富岡氏が鉛筆1本で絵コンテを描き上げていくようすを早回しした映像は、なかなか見られないリアルなメイキングでした。「ウサビッチ」のベースとなっているイメージは、富岡氏自身が子どもの頃にテレビでよく見ていたクラシカルでオーソドックスなアニメだといい、キャラクターの分かりやすい役割、手書きアニメの4コママンガのようなカメラ固定などを特徴としています。また、短い90秒の中で、三幕構成という映画の脚本構成に従った展開になっています。このため脚本の本をいろいろと読んだり、名作映画やビデオを見て自分でプロットを起こしたりと、かなり映画の脚本を勉強したそうです。「それぞれのワークフローを見ると分かるように、特別なことは何もしていません。一つひとつの工程を丁寧に積み上げることが一番大事です」と強調しました。

セミナー後の熱い気持ちが冷めやらぬ中、作品指導を希望する学生たちが富岡氏の楽屋へ殺到しました!
富岡氏は非常にお忙しい立場であるにもかかわらず、丁寧に1人1人の学生にご指導くださり、非常に感銘を受けました。

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アニメづくりは基本を押さえること。
そしてやりたいことは決してあきらめないで!

有限会社カナバングラフィックス
代表取締役/ディレクター
富岡 聡氏

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今日皆さんに伝えたかったのは、アニメーションづくりの最も重要な点は「基本的なことを押さえる」ということです。

アニメも3DCGも、何も特殊なつくり方をしているわけではないのです。私は、アニメづくりの楽しさを学んだのは以前いた会社でしたが、「ウサビッチ」のに当たっては、たくさんのことを自分で勉強しました。世の中には優れた先人たちが残してくれた本がたくさんあるのです。そういうものはどんどん教本として活用していくべきだと思います。

 

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