「暗殺教室」や「ダンガンロンパ」など人気作品を多数手がける監督と脚本家が語るアニメの世界

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「暗殺教室」のテレビアニメを指揮するアニメーション監督＆シナリオライターが登場。
アニメ業界について知りたいことを本音かつ軽快なトークで解説！

2016/4/23(土)、「暗殺教室」「ダンガンロンパ」など人気アニメを数多く手がけるアニメーション監督の岸誠二氏と脚本家の上江洲誠氏によるアニメ業界セミナーが開催されました。このセミナーは事前にデジタルアニメ学科在校生から寄せられたアニメ業界についての質問にお二人が答えるという形式で進行されました。まずは監督、シナリオライターがそれぞれ、どのような仕事なのかという質問。岸さんによれば、監督は現場の指揮官で船の船長みたいなもの。数百人にのぼるスタッフをまとめ、ヒットという宝島につれていくこと。そして、男の子か女の子、大人など誰に喜ばれるかによって、仕事の中身が違うと分かりやすく説明されました。続いて、上江洲さんがシナリオライターについて説明。ストーリーを作ったりキャラクターのセリフを作る仕事は、船にたとえれば舵をとること。アニメ制作には絶対的な製作費が決まっていて、その中で最大限の効果を出すためのシナリオプランや方向性を練ることが必要だとも。プランやターゲット、予算をどこまで考慮して書けるかが大切だそうです。

002_423u そのほか「行き詰ってもアイデアを出さないといけないときはどうするか？」「影響を受けたアニメーション作品は？」「尊敬するアニメ監督、シナリオライターはいますか？」「アニメ業界は完全に3DCGアニメに変わると思いますか？」などの質問に回答。
さらに。「原作がある作品をアニメ化するときに気をつけていることは？」という質問には、漫画雑誌の連載で人気を博した「暗殺教室」を例に挙げて説明。「商品として認知度の高いものは基本を壊すような設計はしない。原作の持つ数字や認知度というポテンシャルをつぶさないこと」と岸さん。上江洲さんは「おもしろいストーリーにはパターンがあります。導入やアクション、エピローグなど、人の感情の流れを動かすにはタイムテーブルとして数値化できます」。なかには「チームティルドーンが求める人材は？」といった直球質問もあり、終始、楽しい雰囲気の中でお二人の軽快なトークが繰り広げられました。

004_423u 本編終了後は場所を楽屋に移動して、引き続き在校生に向けて熱のこもった作品指導やアドバイスをいただきました。目標とするアニメ業界のクリエイターからの直接指導ということもあって、在校生は緊張しながらも真剣な表情でお二人の話に耳を傾けていました。

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岸氏(写真左)　　上江洲氏(写真右)

勉強も遊びも精一杯楽しみ
仲間とのつながりを大切に！

チームティルドーン代表/アニメーション監督
岸　誠二氏
絵を描くことが得意でアニメの世界をめざしました。今になって思うことは、仕事を始めるまでに勉強も遊びも含め、もっといろいろなことを経験しておくべきだということ。たとえば、小学生がどんなランドセルをどう持っているか、消防士の服はどんなものかなど、アニメで描くものすべてを知っておかなければなりません。もちろんインターネットなどでも調べられますが、本当かどうかわからない部分も多い。だからこそ、知識や経験など自分の中に情報を持っていることが役立ったり、取材をする上で人のつながりが活かせることも多いのです。学生時代は学校の講義を受けることはもちろん、たくさんの友人を作り遊べ、と伝えたいです。僕自身、現在の会社は学校時代の仲間とともに作ったし、学生時代の友人や仲間が助けてくれることも多い。人のつながりこそ、財産だと知っておいてほしいですね。

チーム仕事なので技術に加え
コミュニケーション力が必要

株式会社ゲイザー
代表取締役/脚本家
上江洲　誠氏
僕の仕事はシナリオを書いて感動を伝えることです。子どもの頃からアニメが好きで、アニメを作る仕事に関わることが何より喜びです。アニメ業界に求められるのは、技術はあって当然でその上で、よく言われることですがコミュニケーション能力が必要となります。アニメーションは何十人、何百人ものスタッフが関わる集団作業なので、チームワークを発揮しなければなりません。いろいろな経験が、コミュニケーション力を磨く糧になります。また、いろいろな知識がフィルムの説得力を上げます。知識はあればあっただけ有利です。だからこそ、学生だからできること、使えるもの、たとえば学校の図書館や機材などもそうですが、それらをフル活用し、どんなことでもチャレンジしてほしいです。

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