2016/5/21(土)、北野館ソニックホールで行われたセミナーで、人気スマホアプリ「モンスターストライク(以下、モンスト)」を生み出したお2人に登壇いただきました。「モンスト」は、世界累計利用者数3,500万人の方に愛されているスマホアプリです。その人気の秘密や開発秘話などを語っていただきました。
大人気スマホアプリ「モンスターストライク」の仕掛け人が語る
“モンスト”がヒットした理由とは
2013年10月10日に提供を開始したモンスターストライク、通称“モンスト”。セミナーの最初には、モンストの紹介が行われました。XFLAG スタジオは株式会社ミクシィの中で、「友達や家族とワイワイ楽しめる”アドレナリン全開”のバトルエンターテインメントを創出し続ける。」ことをミッションにしています。開発当初、ゲーム市場は“一人遊び”が主流でしたが、多人数で遊ぶおもしろさを追求したプロダクトがヒットすると予見。「最大4人が同時に遊べる協力プレイというゲーム性を作り上げたことで、モンストは絶大な人気を集めています」と楠井氏。
現時点で、モンストアプリは世界累計利用者数3,500万人突破、YouTubeのみで全世界11言語で配信されるモンストアニメは世界累計再生回数が3,000万回を突破(※2016年8月時点では1億回を突破)、3DSソフトは100万本以上の出荷本数を記録しています。
その爆発的な人気を生み出した理由について、3つのポイントを紹介されました。
1つ目は「直観的な操作性」。従来のゲームは、キャラクターを操作しながらゲームの操作を覚えるチュートリアルがつきますが、岡本氏は「初めてでもさわっているうちにゲームができるし、友人に聞いたり教えたりすることでコミュニケーションにつながる」と、チュートリアルがないのがポイント。加えて、「その場所にいる人がリアルタイムにゲームを通じてコミュニケーションできる」と楠井氏。学生をメインターゲットに、引っ張るだけの簡単アクションにしたこともポイントです。
2つ目にメディアミックス展開。TVCM展開をはじめ、屋外広告、ライセンスグッズ、動画、アニメ、リアルイベントなど立体的に展開しています。
3つ目は、数多くのキャラクターやビッグゲームとのコラボレーションを行っていること。ゴジラ、ドラえもん、ルパン三世をはじめモンスターハンターやストリートファイター、LINEスタンプなどとコラボし、話題を集めました。
質疑応答に加えて、
プレゼントをかけてじゃんけん大会も実施!
お二人による講演の後には、学生からの質疑応答。
「新しいゲームを作るときに、どんなところから思いつくのか」という質問に対し、岡本氏は「今ある世の中が、こんなふうに変わったら楽しい、そうするなら何が必要なの?と未来を考えて、そこからちょっとずつ現在にもってくる。アイデアを考えて積み上げていくという作業ではない」。楠井氏は「モンストは友人とプレイできる、それを社会現象にしようと考え、みんながつながって遊べるものを考えぬいた成果です」と答えられました。
また質疑応答のあとには、じゃんけん大会も開催。写真のモンストぬいぐるみの他、特製メモパッド・シャーペン・シールなど多数の賞品を用意いただきました。
高校生・在校生が楠井氏とじゃんけんをし、勝ち残った人にプレゼントが配られました。
勉強も遊びも全力で!
多くの知識や経験が活きる
株式会社ミクシィ
XFLAG スタジオ プロデューサー
楠井(くすい) 大地氏(写真右)
僕の場合、ゲーム業界をめざしていたわけではなく、ウェブエンジニアとしてミクシィに入社しました。
モンストは初めてつくったスマホアプリで、僕の人生の転機になりました。ゲーム業界を目指すなら、いろいろな世界を見ておいたほうがいいと思います。たとえば、パチンコなどのギャンブルだって多くの人が夢中になっている世界。その人たちの気持ちを知ることで、ゲームに生かせることがあるかもしれません。もちろん、多くの知識をもっていることも役立ちますから、勉強はぜったいに邪魔になりません。授業で学べることはすべて吸収しておくべきです。
また、真剣に遊ぶことも必要。どんなことにも興味をもって、より多くの経験を重ねることが、いつかきっと活きてくるでしょう。開発現場には数百人単位の人が関わり、運営しています。平均的にいろいろな分野に精通している人よりも、この部分は誰にも負けないという個性や特技、得意分野を持っていると強いですね。
目標を高く持って
努力を惜しまないこと
株式会社ゲームリパブリック
代表取締役
岡本 吉起(よしき)氏(写真左)
モンストは、わずか4人でスタートしたんです。未来を予測し、社会現象を巻き起こすようなゲームを作ろうと。ゲームとはそういうもので、今すでに流行しているものを作るのではなく、誰もが夢中になるだろうという未来の着地点を決め、そこに向かって課題を解決し、乗り越えていくようにひとつひとつ作りあげていきます。そのために、世間の人がはまっているものを知っておくこと、ゲームだけに限らず多くの知識や経験が必要になってきます。学生には、歩く“ウィキペディア”になってほしいですね。
ゲーム業界にどうすれば入れますか?と質問されることが多いですが、目標がゲーム業界に入ることだと入って終わり。世界一になりたい、業界を引っ張っていくような人になりたいという目標をもたないと活躍できません。同じようにゲーム業界をめざし、スキルの高い人も多くいるなかで、階段を何段も飛ばすには睡眠時間をけずってでも努力することが必要です。