2016/8/6(土)、『攻殻機動隊S.A.C.』や『黒子のバスケ』、『PSYCHO-PASS サイコパス』といった人気アニメーションの制作で知られる株式会社プロダクション・アイジー。同社の設立メンバーであり、キャラクターデザインや作画監督を務める後藤隆幸氏にお越しいただき、アニメーションの業界セミナーが開催されました。
まずは、アニメーションの仕事や職種を基本行程とともに紹介。企画から脚本、色指定、撮影、音入れなど、いくつもの工程でさまざまな人が関わるアニメーション作品。そのうちアニメーターは「作画」といわれる部分を担当します。「アニメーターは、“いいものを作ろう”という職人気質な人が多く、意識も高い。日本のアニメーションのレベルの高さは、彼らが支えているとも言えますね」。さらに、2012年制作の『わすれなぐも』を実例に、アニメーターの仕事をより詳細に解説いただきました。キャラクター表と美術設定、絵コンテを見せながら、「これらをもとにアニメーターが動きを付け原画を描きます。このキャラクターなら、このシーンなら、どんな芝居をさせるか。動きを作るには、自身の経験や創造力がとても大事ですね」。
セミナー終了後、学生からの質問に回答。学生からは、「今のうちにやっておくべきことは」「企業がほしい人材とは」「絵を描くスピードは」といった質問が上げられました。また、アニメーターにとって必要なことは「努力」「我慢強さ」「想像力と創造力」「人とのめぐり会い」「運」だと言います。「“運”といっても、引き寄せるための種まきは必要です。僕の場合も、アニメーターになった頃は、自分が描いたキャラクターを頻繁に上司に見せていた。それがキッカケで、『赤い光弾ジリオン』ではキャラクターデザインを任せられたんです。出会いもチャンスも自ら仕掛けていってほしいですね」
絵は描いた分だけ上達するもの
とにかく描いて磨いてください
株式会社プロダクション・アイジー
取締役/作画監督・キャラクターデザイン
後藤 隆幸氏
自分の描いたキャラクターが画面の中で動き、テレビや劇場で流れるというのは「すごい」と思うし、今でも嬉しいです。もともと僕は、アニメーションの背景を描きたくて入った業界だったので、手も遅いし、キャラクターも上手くない。人の倍やらないと追いつけないから、ひたすら真面目に効率良く、数をこなしました。運良く任されたキャラクターデザインがヒットし、その成功が次につながっていきました。日本では、まだまだ手描きの2Dアニメーションが主流です。技術を磨くには、とにかく描きまくって、自分の苦手なところを見つけて潰していくことですね。もしお金に余裕があるなら、一眼レフのカメラで写真を撮ることも、画面を作る参考になります。また、日頃から映画や小説にもたくさん触れて、知識を増やしていってください。
関連リンク
・株式会社プロダクション・アイジー
・神戸電子専門学校 デジタルアニメ学科ページ
・過去に開催された業界セミナーレポート
・オープンキャンパスや体験入学開催中!
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