ゲーム開発の枠を超えて広がる
ゲームエンジンの現在、そして未来を紹介!
2016/11/19(土)、ソニックホールにEpic Games Japan 今井 翔太氏をお迎えし、ゲームエンジン「Unreal Engine」について、最新の技術とゲームエンジンの未来をお話いただきました。
近年、ゲーム開発にゲームエンジンを導入する事例が多くなっています。なかでもアメリカ に本社を置くEpic Gamesが開発したゲームエンジンUnreal Engineは、今、注目のゲームエンジンのひとつ。Unreal Engine 4は、誰でも無料で使えることが話題となりましたが、手軽にリアルでハイクオリティなグラフィック表現ができることが最大の魅力。「今年の北米最大規模のゲームイベント“E3”で発表された新作ゲームのうち、実に約80本がUnreal Engineによって作られていました。Unreal Engineを使用するゲーム開発者の数も200万人以上です」。日本でも、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーといった有名タイトルで採用されています。また、スーパーハイエンドなコンテンツが求められるVRにおいても、多くがUnreal Engineよって作られていると言います。
ゲーム業界に限らず他業界へも広がっています。例えば映像業界や広告業界、さらには建築業界、車業界といったところでもUnreal Engineで作られたコンテンツが使われているそうです。「映像業界でも通用するレベルのクオリティで、しかも手軽にリアルタイムに動画作成ができます。広告業界では、VRを使ったインタラクティブ広告も主流になりつつあるし、意外かもしれませんが、建築業界でもVRを使って住宅の完成形を体験できるサービスなども。ゲームエンジンの進化によって、今までなかった業界でプログラマが必要とされています。プログラマの活躍の場は、確実に広がっていますね。」と、今井氏。
技術はさらに進化しています。「VRエディター」は、マウスやキーボードを使わず、VRとモーションコントローラーを使って、感覚的にVRコンテンツが作れるもの。「プログラミングの専門知識がなくても、作っている感覚なしにゲーム制作が可能になります」。また、現実とバーチャルの映像を融合させる技術や、人の動きや表情までもリアルタイムでストリーミングし映像化する技術など、Unreal Engineを使った新技術が今も研究、開発されています。「今後、こうした技術はどう進化していくのか、自分や社会にどう関わってくるのか、この技術を使えば次に何ができるのか、そんなことを常に意識してほしいですね」
最後に質疑応答にも対応いただきました。現在注目されている、開発ツールだけに学生も興味津々でした。
次の一歩を決めるために
アンテナを広げ情報収集を
Epic Games Japan
Unreal Engine Community Manager
今井 翔太氏
プログラマを目指すなら、プログラミング言語は必須ですが、ゲームエンジンや英語が使えることも、武器になります。最新技術は英語で発表されますし、情報収集の幅も広がります。ただ、自分が何を目指し、そのために何を学ぶべきかを見つけるために、常にアンテナを広げてほしい。Unreal Engineは、今、技術革新の中核にありますが、こうした情報はニュースサイトなどから得られます。今後、どんな未来が待っているのか、どう進化していくのか、いろんな情報をもとに考えていく必要があります。
また、ゲームに限らず、興味を持ったものはとりあえずやってみる。そうした情報や経験から、自分が関わりたい世界はどこで、そのために必要な勉強は何かといった、次の一歩が見つけられるはずです。私自身も、学生時代に必要に感じて学んだことが、こうして社会に出て自分の武器になっています。学生時代の限られた時間の中で、未来に有効な学びを選んでいってほしいですね。