ワクワク感に満たされたゲーム業界の現状と
求められる人材像をスクウェア・エニックスのディレクターが解説
2017/4/22(土)、300人収容の北野館ソニックホールに補助椅子が用意されるほど超満員の中、株式会社スクウェア・エニックスで活躍中のお二人を招いて「ゲーム業界セミナー」を開催。「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」をはじめ数多くの作品を送り出してきたゲーム業界をリードする名門のセミナーとあって、会場を埋めたのは「三度のご飯よりもゲームが好き」と言っても過言ではないマニアックな学生たちとゲストの高校生たち。会場は独特の熱いムードに包まれていました。
登壇したのは同社でテクニカル・ディレクターを務める鈴木氏と條氏。アラフォーとアラサーのお二人のお話は、これからゲーム業界をめざす若者たちにとり10年後、20年後の自分の姿をイメージできる格好の機会でした。
プロから見れば専門学校は基礎の基礎!だからこそ意識しておくべき「大切なこと」とは・・・?
専門学校で習うことはプロの世界であるゲーム業界からすれば「小学校」のようなもの。本当の勉強は会社に入ってから始まると話され、専門学校時代に大切なことは基礎力を身につけながら「自分のやりたいこと」「自分の強みにしたいこと」を発見することだと強調されました。やりたいことをやるからこそ、休日でも勉強することが苦にならないし、「そうやってきた結果として今の僕たちがいます」という登壇者の言葉は学生たちに強いインパクトを与えました。
ゲーム業界が求める人材のトップに来るのは「コミュニケーション能力」のある人とのこと。プロデューサー、プランナー、3DCGデザイナー、バトル担当・フィールド担当各プログラマなど多数のチームワークで取り組むゲームづくりにおいて「認識に誤差がないように聞く・話す力」が大切と指摘されました。
今のゲーム業界では、つくって終わりではなく「運営能力」も求められるとのことで、自社のゲームで長く遊んでもらうためにユーザーの好みをキャッチしたりイベントを考えたりすることも大切。自分がゲームをする時に「クリエーターの立場を考えて遊ぶと良い」という貴重なアドバイスもいただきました。
途中、各ゲームメーカーがこぞって注力しているVR体験が盛り込まれ、深海で巨大なクジラに遭遇した学生は「ものすごい迫力でした!」と感想を語りました。
あっと言う間に終了時間になったセミナー後、スクウェア・エニックスのお二人がいる楽屋に多くの学生たちが質問に訪れ、関心の高さを物語っていました。
20代にいろいろ挑戦してたくさん失敗しておくと
その経験が30代になって生きてきます。
株式会社スクウェア・エニックス
第8ビジネスディビジョン
テクニカルディレクター
鈴木 寿尚氏(写真左)
僕がゲーム業界に憧れた20年前に、ちょうどゲームの専門学校ができ「これだ!」と飛び込みました。親には反対されましたが(笑)。学生の皆さんに言いたいのは「失敗を恐れず、どんどん挑戦してください」ということですね。挑戦するから失敗もする。仕事で失敗をすると先輩から叱られますが、改善していくことで自分が成長できます。20代は失敗しても許されるんです。その経験は後々生きてきて、30代になって大きく伸びることができます。
いろいろと場数を踏める会社を選ぶと、
「自分はこれ」という得意分野を見つけやすいです。
株式会社スクウェア・エニックス
第8ビジネスディビジョン
テクニカルディレクター
條 義規氏(写真右)
現在のゲーム業界は特に、「プログラマ」だけをとってもさまざまな領域があり、ゲームロジック、グラフィック、セキュリティ、AI、分析、ネットワーク、サーバ…などなど、多数の専門領域があります。その中で自分の志向性がどこなのかを見つけることが大事です。
もし、まだ具体的な強みに自信がないのであれば、まずは、できるだけ多く領域に関わりうる環境を選ぶことはオススメです。仮にそれがゲーム会社ではなかったとしても、そこで強みを身に着けることさえできれば、そこからゲーム業界に入ることは十分に可能だと思います。
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