ラクガキ界の第一人者が来校。
デザイン思考の方法とデザイナーに必要なスキルを語る。
2017/4/22(土)、北野館ホワイエに富士通デザイン株式会社より『ラクガキノート術』などで知られるラクガキコーチ・グラフィックカタリストのタムラカイ氏をお招きしグラフィック分野の業界セミナーが開催されました。セミナーは講義をもとに実際に絵を描きそれを指導する形式で行われました。
今、ビジネスの現場では「デザイン思考」という考え方が主流。
その具体的な解決方法として「ラクガキ」が活用できる。
タムラ氏はデザインにはデザインスキルとデザインマインドという二つの側面があると強調されました。デザインスキルは色使いや人間工学に基づく形状などの側面で、形状や見た目、色彩はあくまで手段で9割は知識で身に着けられるものだと分析され、デザインマインドは様々な生活の場面でユーザーの体験をデザインするセンスであり、鍛えて身につけるものだと説明されました。
今、ビジネスの現場では「デザイン思考」という考え方が主流で、その具体的な解決方法としてラクガキが活用できると言います。人間の表情を口、目、眉の3パーツの簡単な記号に落とし込んだ「ラクガキ」をしてみて、その結果から簡単に感情を表現(エモグラフィー)できるようになるとおっしゃられました。例えばコンビニの経営課題を考えるために人間の表情を簡単にラクガキしてみると、議論を俯瞰できるようになるので言葉で考えただけでは発見できなかったアイデアに行きつくと力説されました。
これからのAI時代。デザイナーは無くならない職業だ。
「目に見えない思い」=「デザイン」は、人間にしかできない。
また、これからの時代は「言葉にできる」=「プログラムできる」ことはAIに代替されていくようになりますが、「目に見えない思い」=「デザイン」することは人間にしかできないことなのでデザイナーは無くならない職業だと指摘されました。
本や授業だけでないデザインを通した鍛錬を欠かさないこと。
それが、デザイナーとして成功するためには重要。
デザイナーとして食べていくためには「よく観るため」「考えるため」「やってみるため」最新の技術や素材、法律を学び実践し続けることが必要で、誰も見たことがないアイデアを産み続けられるように、普段から本や授業だけでないデザインを通した鍛錬を欠かさないことが特に必要だと強調されました。
セミナーは時間を大幅に延長して行われ、ラクガキの他に感情の動きを一本の線で表してみる方法などタムラ氏のオリジナリティが溢れる具体的で実践的な講義に、学生たちは和やかな雰囲気の中においても真剣に耳を傾けていました。
RAKUGAKIを世界の共通言語に。
学生時代は、体験にお金を使うという考え方も必要。
富士通デザイン株式会社
ラクガキコーチ/グラフィックカタリスト
タムラカイ氏
ラクガキはデザイン思考やアイデア発想の解決策として最適だと思います。これから先、世の中の価値観なんて誰かの発想で一瞬にして変わるものだと思います。そのためにみんなが様々なことを考えるための手法として「RAKUGAKI」を世界の共通言語にできればいいですね。また、学生時代にこそ体験にお金を使うという発想も大事だと思います。旅行でも最新式のゲーム機でも、今しか体験できないことで感性を磨いて、人には負けないこれといったものを身につけてください。
【関連リンク】
・タムカイズム-人生の楽しみをデザインするブログ-
・富士通デザイン株式会社
・神戸電子専門学校 グラフィックデザイン学科
・オープンキャンパス特設サイト
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