世界の名だたる賞を獲得し続けるポリゴン・ピクチュアズが、手描きとデジタルが融合する時代のアニメ制作などを事例を交えて解説!
2017/8/5(土)、3DCG・アニメ業界に興味のある学生を対象にしたセミナーを開催し、株式会社ポリゴン・ピクチュアズの管理担当執行役員・兼松厚氏に登壇いただきました。
同社は、設立が1983年と業界で最も長い歴史を持ち、社員数も約300名と国内最大規模を誇る3DCG・アニメ制作会社。2012年に「超ロボット生命体 トランスフォーマープライム」がデイタイム・エミー賞、2013年に「トロン:ライジング」がアニー賞、2016年には「山賊の娘ローニャ」が国際エミー賞を受賞するなど、同社の作品は高い評価を受け続けています。
セミナーでは、それらの作品に加えて「亜人」「シドニアの騎士」といった映画のヒット作の映像を紹介。その中で「亜人」と「シドニアの騎士」はファン層が異なり、それがキャラクター商品の販売などにも影響するというお話がありました。学生たちは、しっかりとした企画の上で制作された作品はコアなファンをつかむことができ、作品そのもの以外にも効果をもたらすことを学びました。また、ゲームのプロモーションビデオの映像を見ながらその制作方法を解説。アニメ制作の全般的な流れを説明される中で、手描きと3DCGでは制作過程に大きな違いがあることを教えていただきました。今後の3DCG・アニメ業界について、「市場規模は約2兆円」「アジア圏で特に日本のアニメの人気が高い」という観点から今後も伸びる業界であると語る一方で、作品を海外に宣伝する能力を高める必要があるという業界の課題についてもお話しいただきました。
最後に、学生からの質問コーナーで「業界をめざすために観ておいた方がいい映像は何ですか」との問いに、「世界の最高峰といわれる作品、特に日本のアニメ作品は出来る限り観ること。また、さまざまな自然を見て美しいと思える感性を磨くことも重要」と語り、たくさんのものに接することで「良いものを見極める目」を身につけることが仕事をしていくうえで役立つと語りました。
リーダー格が求められる時代。常に学ぶ姿勢を持って。
株式会社ポリゴン・ピクチュアズ
管理担当 執行役員
兼松厚氏
経営企画や人事の仕事に関わっており、スタッフが心地良く、パフォーマンスを発揮できる環境づくりを行っています。プロなので結果は出さないといけないし、成長もしなければいけない。その集約が作品だという観点を常に持ち「自分の成長に貪欲になってほしい」という思いを込めて、少しでもモチベーションの向上に繋がるスタジオ運営を目指しています。
業界全般として、日本でスタジオを運営するには費用が莫大にかかるため、難易度が高いカットは国内で作り、そこまでではないカットは海外で作るという方向にあります。そうすると、難易度が高いカットに対応できるスキルや将来的にリーダーになっていける素養を持った人を求めています。
仕事を続けるうえで一番大切だと思うのは「本当に好きなことをやる」という気持ち。この業界はまだ若くて、最古参ともいえる弊社でも35年ほど。20歳で入社したとしてもまだ55歳というように定年が出ていない業界なんです。CG業界の歴史とともに歩んできたようなスタッフもたくさんいますので、いろんな経験を持ったスタッフと一緒に仕事ができ、成長もしていける。だからこそ、人から学ぶ姿勢や、「好き」という強い気持ちが必要になるんだと思います。
(関連サイト)
ポリゴン・ピクチュアズ
アニメーション映画『GODZILLA 怪獣惑星』OFFICIAL SITE
神戸電子専門学校 3DCGアニメーション学科
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