2017年 3DCG・アニメ業界スペシャルセミナー総集編⑥~タツノコプロ~

学校からのお知らせ

2017.10.27

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表現の枠にこだわらず、オンリーワンの作品づくりを追求

2017/8/8(火)、ホワイエホールで行われた業界セミナーでは、株式会社タツノコプロから羽田正貴氏と春名和道氏を迎え、今年10月に55周年を迎える株式会社タツノコプロの歴史と近年の新たな取り組み、そして最新作「Infini-T Force」の内容についてお話しいただきました。
株式会社タツノコプロは、1962年、漫画家の吉田竜夫氏らによって設立され、とくに60~70年代には「マッハGoGoGo」「ハクション大魔王」「昆虫物語 みなしごハッチ」「科学忍者隊ガッチャマン」「新造人間キャシャーン」など、今に語り継がれる数々の名作オリジナルアニメを生み出しました。
近年では、女児向けの「プリティーリズム」「プリパラ」シリーズなどの作品を制作するとともに、「科学忍者隊ガッチャマン」を現代風にアレンジした「ガッチャマンクラウズ」や「夜ノヤッターマン」「タイムボカン24」など、過去の作品のリブートを手がけています。コミックやライトノベルなどの原作をアニメ化する制作会社が多いなか、同社の作品はその多くがオリジナル作品。原著作権を保有する作品のキャラクターライセンス・ビジネスを中心とした安定的な収益等もあり、現在も新たなオリジナル作品の制作に努めています。

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創立55周年を目前にした昨年は、吉田竜夫氏の掲げた理念「世界のこどもたちに夢を」の原点に立ち返り、北米向け作品の制作を手掛けたほか、日本・韓国で放送する「プリパラ」を制作。国内では、「タイムボカン24」が45%の高視聴率を獲得しました。
世界への飛躍とともに、作品の表現方法もまた変革を遂げてきました。初期の作品は2Dですが、「プリティーリズム」「プリパラ」シリーズではダンスシーンでCGを採用。北米向け作品ででは全編をフルCG、今年10月公開の「Infini-T Force」でもフル3DCGで仕上げるなど、最先端のデジタル技術を次々と採り入れています。さらに、今春公開された「まけるな!!あくのぐんだん!」では、1クール全てにおいて、紙とペンを一切使わないデジタル作画制作を試み、ペン画ではむずかしいクレヨンタッチの線の表現に成功しました。

創設者の吉田竜夫氏を中心に、新しいこと、おもしろいことを常に追求するという創立以来一貫したクリエイティブ精神で、株式会社タツノコプロはオンリーワンの作品を生み出し続けています。

セミナー終了後は楽屋で学生に対して個別作品指導や個別質疑の対応を頂きました。
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 春名氏                 羽田氏

株式会社タツノコプロ
執行役員、経営戦略部 部長
羽田正貴(はねだ まさたか)氏

株式会社タツノコプロ
コンテンツビジネス部
海外統括 担当部長
春名和道(はるな かずみち)氏

★技術の枠にとらわれない広い世界観が新たな挑戦を可能にする

「ヘルメットの半透明のバイザーをアニメで描くなんて常軌を逸していると、当初『科学忍者隊ガッチャマン』の制作は、周囲の猛反対を受けたそうです。吉田竜夫は45歳の若さで亡くなりましたが、そんな反対を押し切り、まさに命を削って作品に挑んでいました。その真摯な姿勢にこそ、当社のアイデンティティーがあるのだと思います」と羽田さんはおっしゃいます。
今でも制作部は叩き上げの世界。挫折しないようにうまく人材を育成する苦労は絶えませんが、新入社員が一人も辞めずに適所で能力を発揮しているのは、人事を担当する羽田さんにとって大きな誇りです。
アニメ制作はハードな仕事ですが、常に新しいことへの挑戦を信条とする、同社の可能性は無限に広がっています。「当社を志望する皆さんは、それぞれの分野の基礎をしっかりと学んだうえで、世界観を広げていってほしい。引き出しの数が多く、技術の枠にとらわれない人の活躍に期待しています」と、春名さんは学生に向けてメッセージを送られました

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(関連サイト)
タツノコプロ
「Infini-T Force(インフィニティ フォース)」
タイムボカン 逆襲の三悪人
神戸電子専門学校 3DCGアニメーション学科