「進撃の巨人」などを手がけた敏腕アニメーターと原画担当の
アニメーターが登壇。生の原画などを教材に、プロの技を伝授!
2017/8/11(金)「アニメーション制作の魅力や喜びを知ってもらうこと」をテーマにしたアニメ業界セミナーを開催。「進撃の巨人」をはじめ斬新な描写のアニメ作品で注目を浴び続ける株式会社ウィットスタジオから、取締役でアニメーターの浅野恭司氏とアニメーターの手島舞氏にご登壇いただきました。
浅野氏は「進撃の巨人」のキャラクターデザインを手がけるなど業界でも屈指のクリエイター、手島氏は「進撃の巨人Season2」で原画を担当するなど現場で数々の経験を積んでおられます。最初に同社が所属するIGグループの概要などをパワーポイントにて紹介。そして、同社が映像制作でこだわっている点などについて教えていただきました。
セミナー後半は「進撃の巨人Season2」を担当された手島氏直筆の生の原画素材を画面に映しながら説明していただくという、実際の現場の状況がリアルに伝わる時間となりました。
まず、アニメーターの仕事についての説明からスタート。レイアウトを作成し、演出や作画監督らにチェックを受けたのちに原画を描いていくとのことでした。生の原画を学生たちの手元に回していただく場面もあり、学生たちは貴重な原画を食い入るように見つめていました。
セミナーの後半には学生の作品指導をしていただく時間が設けられたほか、じゃんけん大会が行われ、勝ち残った3名に両氏直筆のイラスト入りのサイン色紙がプレゼントされました。
工夫を凝らしながら、
クオリティの高い映像を求め続ける。
株式会社ウィットスタジオ
取締役 アニメーター 浅野 恭司氏(写真右)
小学生の頃から漫画やアニメの絵を模写することが好きで、ドラゴンボールやドラえもんを描いて友達や親に見せ、褒めてくれるとうれしくて得意になっていました。絵を描く仕事に興味を持ち、高校卒業後はアニメの専門学校へ進学しようと決めました。アニメーションは絵を何枚も描いて動きを表現します。従って線の量が多いと描くことに時間が掛かってしまうので、一般的に線を省略したデザインや描き方を用いるのですが、私は劇場作品などを制作している会社に入ったので、線の量も多くリアルな表現を目指す作品に多く関わることができました。
線を減らして動かすことにこだわるのと、線の多い描き込みで綺麗な絵を描くこと両方に力を注いできたので、その技術が現在の作品制作にも影響しているのは確かです。学生のみなさんには、ジャンル・年代を問わず、映画を見ようと言いたいです。映像作りには欠かせない色々な要素が詰まっており、自分に合う合わないで判断せず、評価されている作品の何が評価されているのかを考えながら見ることによって、作品制作に不可欠な事が、少しずつ理解できてくると思います。
感性を磨いておくことが、生き残る糧になる!
株式会社ウィットスタジオ
アニメーター 手島 舞氏(写真左)
映像業界に入りたいと思ったきっかけは、映画スターウォーズです。あの壮大な世界観に魅了され、多くの人たちの心に残るような作品を私も作ってみたいと思いました。大学で、アニメの監督と出会ったのですが、感動できる映像はアニメーションでも作ることができる、描けば演出できる世界なんだということを教わったんです。「進撃の巨人」を観て、クオリティの高さと演出の格好良さに衝撃を受け、納得がいきました。弊社の門をたたいて仕事をしていますが、プロフェッショナルな人たちに囲まれて、刺激を受けながら作業ができていることに幸せを感じています。
学生の皆さんにお伝えしたいのは、絵のテクニックは仕事で身につくものが多くありますが、人の感情や風景描写などは、それまで培った感性が大きく影響するということです。将来、新しいものを世の中に生み出していきたいと思うのであれば、その引き出しが多いほど豊かな表現ができ、仕事の幅が広がります。学生時代には積極的に外へ出て、映画や旅行など様々なことを見たり感じたりしながら感性を磨いておくといいと思います。
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