「近い将来もっともセクシーな仕事になる」と言われる
“データサイエンティスト”が予測する“ITが創る未来”
2017年7月22日(土)、ソニックホールで開催されたIT業界セミナーで、楽天株式会社データインテリジェンス統括部データサイエンスソリューション課バイスマネージャーの
高橋聖(さとし)氏が講演してくださいました。
高橋氏は自称『techgeek(テクノロジーおたく)』で、MIT(マサチューセッツ工科大学)で工学博士の称号を得た後、通信会社ビジネスコンサルティングファームを経て、データサイエンティストとして楽天に入社されました。
データサイエンティストとは、SNSや検索履歴、購買履歴など、あらゆるものから収集されたビッグデータを分析して、何らかの新しい結果に導く職業です。
セミナーでは、実際にビッグデータを活用している事例の一つとして、楽天トラベルのサイトについて紹介くださいました。
スマートフォンの画面を提示しながら、各ユーザーの属性、過去の行動、心理を分析して、いつ、どこに、何をしに行きたいかを予測し、タイムリーにピンポイントでアプローチしつつ、そのユーザーのサイト画面を可変更新させていることを解説してくださいました。
(ビッグデータを活用したONE TO ONEアプローチ)
そして、自身の趣味であるマラソンの結果を例に挙げ、自身の走行距離、速度、体組成などのデータ(高橋スモールデータと命名)を分析した結果、どの部分を強化すべきかという課題を抽出し、解決方法を見出せたことを紹介。そのプロセスやデータ解析の具体的な手法をご紹介いただきました。
ITは、個→家族→友人・知人→学校・職場→社会→文化という順序で広く深く浸透していき、ビッグデータ活用から、AIへと進化していくことは明白な事実であり、そのスピードは、も予測をはるかに上回って進んでいます。
高橋氏は、未来の社会の変化を5年刻みで提示し、データサイエンスの研究をしていると、インフラの先見も可能であると語ります。
そしてこれらのことが、世界の著名なビジネスコンサルタントに“もっともセクシーな仕事”と言わしめた所以であると。
この変化に、いかに対応していくべきなのかを高橋氏は、以下のアドバイスを学生たちにしてくださいました。
・事象を細分化したうえで、素早くトライし、素早くエラー 素早く改善(フィードバック)する事。
・ユーザー(生活者)の行動・言動は発信であり、サービスの改善に努める事は返事であるというコミュニケーション(思いやり)能力を養う事
・広い視野と好奇心を持つ事
スランプの時こそ、
トライ&エラー&フィードバックが重要
楽天株式会社
データインテリジェンス統括部
データサイエンスソリューション課
バイスマネージャー
高橋 聖氏
データサイエンス/データインテリジェンス部門の強化を三木谷CEOが掲げられていた事に共鳴し、楽天に転職しました。自分の研究が人々を豊かにし、社会貢献へ繋がるのであれば、非常にやりがいがあると感じたからです。
現在は充実した毎日ですが、これまで決して順風満帆だったわけではありません。
マサチューセッツ工科大学大学院在学中、言葉の壁や文化の違いが原因で、教授から修了課程をもらえない時期がありました。
アメリカの大学は、修了課程を都度勝ちとり全てのハードルをクリアしないと、退学させられるシビアさがあります。そのプレッシャーに押しつぶされそうになり、スランプに陥り、ホームシックになり、全てを投げ出したいと自暴自棄になりそうでした。
しかし、初心に戻って自分と向き合い、できる事からやる。それでもだめなら相手に教えてもらい、改善し、再トライする。そういうことに真摯に取り組むうちに、自分でも信じられないほどに立ち直ることができたんです。
スランプの時こそ、冷静に反省し行動を起こすこと。そこから活路は見いだせます。
諦めることはすぐにできる。皆さんには、ぜひ最後まで抗う気持ちを捨てずに、夢に向かって突き進んで欲しいと思います。
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