社会や身近な課題に、技術とアイデアで答えを出した12作品。
果たして最優秀賞はどのチームに!?
2019/2/7、新長田勤労市民センター別館ピフレホールで、Digital Works 2018-2019 IT分野制作発表会が開催されました。
前編に続き、後半の学生発表の様子、受賞チームインタビューを紹介します。
Webエンジニアコース2年生
1年生の「作る」から、2年生では「広める」というところをめざしています。今年はノミネートの2チームを含め、全5チームありましたがすべてのチームがリリース・公開を達成しています。リリース前から評判が高く、リリース後、ダウンロード数が著しく伸びたチームもありました。また、販売まで達成したチームもありました。
最初に発表された、ライブのスケジュールや使ったお金の管理ができるアプリは、本人たちもライブ好きというところから課題を抽出して開発にあたった作品。この作品の市場価値は、完成前におこなったツイッターによる宣伝活動で思わぬバズりを見せたことでも証明されているでしょう。次の作品は、スマートリモコンの機能を解体し、必要な人に必要な機能のみを提供するというありそうでなかった着眼点がすばらしいと感じました。プレゼンテーターが「“かゆい所に手が届く”ではなく“かゆい所だけかく”サービス」と喩えていましたが、まさにその通りの作品でした。
制作・公開したアプリがGoogle PlayStoreで国内1位を獲得
3年生
「自分たちが面白いと思うもの」に加えて、「身近な問題や広い範囲の問題を解決できること」を念頭において企画・開発していくことが、3年生のテーマ。12チームの中から最終的に3つのチームが選出されました。
1つ目のチームの作品は、QRコード管理アプリ。グルメサイトなどのクーポン、娯楽施設で利用される会員証、空港などの入場券など、さまざまなQRコードを一括で管理できる便利さは、現在普及しすぎの感もあるQRコードの問題点を鮮やかに解決していると言えます。次の作品は、サイクリングのルートを簡単に描いて記録・共有できるサービスで、こちらは近年の自転車ブームのニーズを的確に捉え、サイクリング好きが欲しいと思えるサービスのツボを抑えている点が見事。3つ目の作品は、読書の途中でつぶやき感覚で本の感想を投稿できたり、他者のつぶやきや所蔵書籍を自由に覗き見できる、読書好きのツボを心得たありそうでなかったサービスでした。どれも気づきそうで気づかない身近なニーズを上手く捉えてサービスに昇華させている点が素晴らしいと感じました。
読んだ本の感想を共有できるSNS
4年生
4年生は、最終学年ということで、テーマ、開発環境、使用する言語など、ほぼすべて学生に任されています。こちらのコースでは、「ついにロボットを作ってしまった!」という驚きの発表でした。猫の鳴き声や糞尿の被害を解決するため、猫を見つけて水を噴射して猫を近づかなくする自立型ロボットですが、もはやIT分野の枠を大きく超えた作品は、さすが4年生と言えるでしょう。
人工知能や自動操舵を使い、猫を探し敷地に猫が入らないように監視する最新テクにロジー満載の車輌を全て設計・開発・制作
福岡校長による全体講評の後、各受賞作品を発表
【審査員講評】
我々審査員で議論した中で、ツールや言語も含めていろんなチャレンジをし、フルスタックエンジニアとしてのアウトプットを見せていただけたのがProject Remlinさんだったのではないかということで審査員特別賞に選定させていただきました。他にも、『QRManager』であるとか、『チャリ共』、部門賞を受けられた『BOOKBOK』など、3・4年生の評価は我々も甲乙つけがたく、議論になったんですけど、最終的にはProject Remlinさんで決定ということになりました。それ以外の作品も、単なる技術を飛び越えて社会との接点だとか、普段、自分自身が抱えている問題に対して、技術でどう解決していくのかをしっかり考えて取り組まれた作品であったと感じております。皆さま、おつかれさまでした。
【福岡校長総評】
全チームが実装技術だけにとらわれずに、ユーザーのニーズという点に着目したUXデザインに意識を馳せているのが見て取れました。社会のトレンドがこのIT分野の日々の授業の中にきちんと取り入れられていると感じられたことをうれしく思います。皆さんはIT技術という、数ある技術の中でも最も瞬発力とパワーのある技術を持つ方々です。それを最大限発揮して自分たちのアイデアを形にし、強く生きていってください。技術を持った個人、企業が社会を作っていく、本当に今そういうタイミングが来ています。IT分野の卒業対象生の皆さんは、そういったタイミングに社会へ踏み出そうしていることを覚えておいてください。そして、進級生の皆さんには、ぜひ来年はこの壇上に立てるよう、さらに奮起して頑張っていただきたいと思います。
【受賞者インタビュー】
■最優秀賞
情報処理学科Webエンジニアコース2年生
『LiVLE』 iSO教徒一同・・・(左から)磯和龍一さん 三宅海斗さん 遠藤天馬さん
まず、自分たちが楽しんで作ること。
その思いは、ユーザーにもきっと伝わるはず。
「やってしまった!」というのが今の率直な感想です。普通にプレゼンしてもおもしろくないので紙芝居形式のプレゼン資料にしてみたのですが、資料がふざけていると怒られるのではと心配していたくらいなのでまさか最優秀賞に選ばれるとは思いませんでした。今回の一番のポイントは、商品公開前からツイッターでプロモーション活動をおこなった点です。これである程度市場価値があることが事前につかめましたし、やはりツイッターがバズったというのは大きかったですね。おかげで、初動でGoogle Play ストアのイベントカテゴリーで国内1位を獲ることもできました。今回の制作を振り返ると、あまり真面目になりすぎないほうがいい結果につながるのかなと感じています。あまり根を詰めて頑張りすぎず、気楽に、自分たちがやりたいことに取り組むほうが、遊び心のある楽しいものができあがると思います。
■審査員特別賞
情報処理学科Webエンジニアコース2年生
『Remlin』 Project Remlin・・・(左から)福崎真大さん 永田翼さん
他学科とコラボレーションし、ふたりで作り上げた製品を
販売までしたことは貴重な経験です。
審査員特別賞の受賞は、狙い通り(笑)。実際に販売して、金銭の受け渡しがあったのは僕たちだけだと思うんですけど、この実績は評価してもらえると思っていました。また、デザインやプロダクトの加工などを外部の学科の方に協力していただいたのですが、こういう仕事の進め方は実際のビジネスに近いものがありますので、その点も評価していただけたのではないかと思います。とは言え、やはりふたりでの制作は大変でした。筐体の制作をお願いしようと思っていた方の都合があわず、結局自分たちで3Dプリンターを使って作らなければならなくなったり、デザインなども他学科に方に無償でお願いしている手前、無理なスケジュールを押しつけるわけにもいかず、それでも期日は迫るばかりで。あとは、作るのも大変ですが売るのはもっと大変だということが身にしみました。そういう経験ができたのも結果的にはよかったのかなと思います。
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