劇場版『ONEPIECE STAMPEDE』に見る、CGのメリット・デメリット。
2019年8月3日(土)東映アニメーション株式会社からプロダクションマネージメント室長兼プロデューサー 横尾 裕次氏とCGラインプロデューサー 福長 卓也氏が来校されました。本セミナーではアニメの中のCGメイキングセミナーと題して、劇場版『ONEPIECE STAMPEDE』のCGメイキングをもとにCGが何に使われ、どのように作られているのか?CGと作画の使い分けや、メリットとデメリットなどをお話しいただきました。初めに、東映アニメーションデジタル映像部ついて、社員数や男女比率の紹介などの概要が説明されデモリールが流されました。映像には、アニメ、フルCGなど様々なものがあり同社が積み上げた歴史が伝わってきました。
続けて、福長氏より劇場版でCGが使われた理由についてお話しがありました。注目ポイントは「群衆」と「エフェクト」とのこと。まず「群衆」についてどのように作られているか「モデリング」「モーションキャプチャー」「ショット作業」の3つに分けて解説いただきました。「モデリング」では、10体程度のベースとなるモデルを色や大きさのパターンを変えて約250体の群衆にしていること、「モーションキャプチャー」では自社で所有している機材「Xsens MVN」を使って自分達でモーションを収録する作業映像が紹介されました。
「ショット作業」では、群衆ソフトの説明時に「学校ではモデリングとかアニメーションの基礎的な勉強をすると思いますが、群衆アニメーション用のソフトなど、プラスで勉強していると会社に入った後、重宝されます。」と横尾氏からアドバイスもありました。福長氏は「世界観を表現する上で、作画ではカロリーが高すぎて全カット手がつかないところにCGを使っている。時間を大幅に短縮できるメリットがある」と説明されました。「エフェクト」では、実際に制作されたカットをもとに作業内容が説明されました。大変複雑な作業が行われているのがよくわかります。「群衆」と同様に1回作ると使いまわしがきくところがデジタルの良さだということでした。CGのメリット・デメリットのまとめでは、「情報量が多いキャラを使える」「キャラや乗り物、カメラも立体的に動かせる」などのメリット、「準備期間が必要」「コストが掛かる」などのデメリットが挙げられました。「CGの得意→作画の苦手」「CGの苦手→作画の得意」という関係だが「CGと作画の協力が必要」ということでした。
セミナー後半は、就職活動に向けてのアドバイス。アーティストとして自信のあるスキルを持っていること、相手の話を理解すること、社会人の自覚があることなど東映アニメーションが求める人材に関する貴重な情報をいただきました。質疑応答の後、グッズをかけたじゃんけん大会も開催。終始和やかな雰囲気で進められ就活のヒントもあり大変貴重なセミナーとなりました。
【関連ページ】
・東映アニメーション株式会社
・3DCGアニメーション学科紹介ページ
・3DCGアニメーション学科公式YouTube
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