2019/7/14(日)、声優・森川智之氏が来校されました。森川氏といえば『ミッション:インポッシブル』イーサン・ハントや『ズートピア』ニック・ワイルド、『NARUTO -ナルト-』波風ミナト、『ファイナルファンタジー』セフィロスなどアニメやゲーム、映画の吹き替えを数多く担当する業界でもトップクラスの声優さんです。その森川氏による声優業界スペシャルトークが開催されました。
声優という仕事について
開始早々、森川氏から「声優ってどんな仕事か説明できますか」と学生たちへの質問がありました。アニメ、吹き替え、イベントのMC、ラジオ、芝居などイメージした仕事が次々に挙げられます。「声優の仕事は、アニメの声、洋画の吹き替え、ナレーションが基本です。それ以外はそこから派生したものです」と森川氏。昨今、華やかさが先行する声優業界ですが、基本を忘れないこと、基本を忠実にこなすための練習、稽古を欠かさないこと。声優の大切な心構えのお話からスタートしました。
作品に出るのはすべてオーディションであることや、声優を目指して学んだ勝田声優学院での経験談などを交え、いろんなエピソードを楽しくお話いただきながら、スペシャルトークは和やかに進んでいきます。まだ声優という言葉がなく「アテ師」と言われていた時代から環境が大きく変わっても声優の仕事は変わらない。あくまで声優は、「声で演じる、声の職人」だと語る森川氏。「ブレないで、頑張って、教えられたことをコツコツ積み重ねて練習していくことで、必ずチャンスが来る。その時に後悔しないように、強い覚悟をもってアクター(声優)としてしっかり稽古をしてほしい」と学生たちにエールが送られトークは終了しました。
後半は「皆さんからの質問を僕がいい声で読みます(笑)」と、森川氏による学生への質疑応答です。「感情の移り変わりが激しい役を演じるコツは?」の質問には、余白のある演技が必要だという答え。「見ている人が考えたり、楽しんだりするための余白(間)が大事」なのだそうです。次の「吹き替えの際、注意していることは?」には、「人間を演じる時に気を付けるのは「呼吸」。映像を見てその人の「吸う」「吐く」の間隔を身に着けて自然にやること」と回答いただきました。
声優を目指す上で大切なこと
その後も多くの質問にお答えいただきましたが、印象的なのは「望む人材」に対する回答。「本気で声優になりたい人が理想。競争が厳しくても負けないメンタルの強いひとが向いている職業だと思う。」とのことで、スペシャルトークでも出てきた「職業とする覚悟」が大切なのだとよくわかります。憧れだけだは声優にはなれない、続かないと森川氏は教えてくれました。
最後は、学生たちへのお手本とエールを込めて滑舌(発声)練習として有名な「外郎売(ういろううり)」を披露してくださいました。すべてにおいて圧巻の口上に、学生たちは更なる練習、稽古への意欲に駆られた様子でした。とても素敵なスペシャルトーク、貴重な時間となりました。
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