2020/7/26(日)、『ドラッグオンドラグーン』シリーズや『NieR(ニーア)』シリーズなどでディレクターを務めるヨコオ タロウ氏と、『ドラゴンボールZ KAKAROT』、『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズなどを手がける株式会社サイバーコネクトツー代表取締役の松山 洋氏を迎え、ゲーム業界セミナーをオンラインにて開催しました。二部構成のセミナーは、第1部はヨコオ氏、第2部は松山氏が中心となって、それぞれお二人による対談形式でおこなわれました。
ゲームクリエイターに大切なのは想像力
普段接することのない人たちとふれ合う機会を持とう!
第1部ではヨコオ氏に、「企画・シナリオ業務においての重要点」をはじめ、ゲームクリエイターに求められるノウハウ・視点などについて語っていただきました。
「ゲームクリエイターに大切なのは想像力です。世の中には、男性と女性がいて、おじいさんもいれば、小さな子どももいます。良い企画を立てるには、自分以外の人たちに、どうすれば喜んでもらえるかを想像する力が必要です」とヨコオ氏。さらに、その「想像力」を養うためにいろいろなアルバイトを経験するのも一つの方法であるとアドバイスをいただきました。また、松山氏も、「普段接することのない人たちとふれあうことで、新しい視点が見えてきます」と付け加えられました。
次に、「魅力的なシナリオをつくるには、例えば、映画を観て感動したら、『自分はなぜ感動したのか?』を分析することが大切。自分自身を掘り下げることで、世の中が求めているものが見えてくると、私は考えています」と語っておられました。数々の作品を手がけるヒットメーカーからのお話に、参加した学生たちも強い感銘を受けたようです。
この日同時開催のオープンキャンパスの参加たちもモニター越しのお二人のトークに聴き入り、「貴重なお話が聴けて、さらにゲーム業界に興味を持つことができました。」「どんなことを頑張っていけばよいのかが分かり、有難かったです。」といった声が聴かれました。ゲーム業界を志す高校生たちの心にもしっかりと響いていたようです。
オープンキャンパスへの参加者も、モニターにてセミナーを視聴しました。
とにかくたくさんの作品をつくること
学生のうちにいっぱい失敗をしてください
続いて第2部では、松山氏から「求める人材像」や「学生時代にやっておくべきこと」など、ゲーム業界に進むためのポイントについてお話いただきました。
求める人材について松山氏は、『ゲームが好き!』であることを大前提とし、チーム制作をおこなう上で必要なコミュニケーション能力を重要視しているとのこと。また、学生時代にやっておくべきことについては、「たくさんの作品をつくってください。7・8本もつくったという人がいれば、ぜひ、一緒に働きたいです。とにかく数で勝負しましょう!」とエールを送られました。同じくヨコオ氏も、「どんどん作品をつくって、いっぱい失敗してください。何度でも失敗できるのは学生の特権です」と、作品づくりの重要性を強調されていました。第一線で活躍するゲーム会社のトップによるアドバイスは、ゲーム業界を志す学生たちにとても刺激になったことでしょう。
最後に質疑応答を行いました。「プレイしてみたいと思った学生作品に、共通することは何ですか?」という質問には、「先生や友人などに意見を聞いて、ダメな部分をきちんと削っている作品です」とヨコオ氏。松山氏は「私も同じ考え方で、自分本位になっていないことです」と語っておられました。「一番美しいゲーム機は?」「最近、おもしろいと思ったゲームは?」など、たくさんの質問が飛び交い、大いに盛り上がりました。
「挑戦することの大切さを学べました」、「在学中にたくさんのゲームをつくろうと思いました」、「あの時失敗しててよかったなあと思えるように、この学生期間を過ごしていきたいです」など、参加した在校生たちの感想からも充実した時間であったことが伺える、たいへん有意義なセミナーとなりました。
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