伊藤由偉さん(右)と会田圭吾さん(左)
IoTサービスの創出を目的としたビジネスコンテスト「WINK2020」に、
情報処理学科 Webエンジニアコース1年の伊藤由偉さんと会田圭吾さんが参加し、
ビーコンを用いた新しいサービス「KIMI crew-キミクル-」を発表。
IT企業のエンジニア、大学院生などによる全12チームの中から優勝を勝ち取りました。
今回は、受賞の二人に「KIMI crew-キミクル-」の発想に至った経緯や苦労話、
さらには今後の展望などについて聞きました。
彼らのトークから、「KIMI crew-キミクル-」にかけた情熱の日々と、
IoTサービスがもたらす新たな可能性をのぞいてみてください
スマートシティの実現に貢献。
IoTサービス「KIMI crew-キミクル-」。
「WINK2020」優勝者インタビュー
KIMI crew-キミクル-とはどのようなサービスですか?
伊藤さん:例えば、高齢者の方や妊婦さん、身体に病気や障害を抱えた方が、小型のビーコンから「具合が悪い」や「助けてほしい」といった情報を、スマートフォンアプリや受信機を通して発信・受信できるサービスです。
会田さん:気持ちをデジタル化して発信することで、困っている人にとってはより状況を伝えやすく、周りの人は気づきやすい環境をつくって、例えば「席を譲る」などの行動を促します。
伊藤さん:携帯するビーコンについては、常時カバンの中に入れておけるコンパクトなものを想定しています。また、キミクルエフェクトと名づけた受信機には受信によって反応するLEDライトやブザーを装備する想定で、電車の車内などに設置できればと考えました。配布先や販売先は、老人ホームや福祉施設などを想定しています。
会田さん:ちなみに、原価の算出やマーケットの調査・分析も行いました。大きなマーケットを舞台に比較的安価で実現できるところも、「KIMI crew-キミクル-」のポイントのひとつです。
KIMI crew-キミクル-の発想に至った経緯は?
伊藤さん:「世の中をより良くするサービス」をひとつの軸にして、会田くんとディスカッションを続ける中、ヘルプマークが世の中にあまり浸透していないことに気がついたんです。
会田さん:そうそう。そこから実際に、クラスメイトや先生にアンケートを採ってみると、ほとんどの人が知らないというのが実情でした。
伊藤さん:それから、ヘルプマークの「見せて伝える」というアナログな方法で人々の行動を促すことは難しい。なら、このヘルプマークの代わりになる新しいものをつくろうと考えました。それを着眼点に、以前からあるビーコンの技術を掛け合わせたのが、「KIMI crew-キミクル-」というわけです。 アイデアが固まるまでは、大変でした。
会田さん:本当に(笑)。7月末のプロジェクトスタートから、連日深夜までリモートでミーティングを繰り返していましたが、実は8月12日の応募締め切り2・3日前までアイデアがまとまっていなかったんですよ。
伊藤さん:コレだ!と思うものがどうしても出てこなくて。
会田さん:うん。それでも議論を重ねていくうちに、これまでに出ていたアイデアの断片がつながり出して、一気に形になっていきました。
提出はギリギリになりましたが、最後まで粘り強く考えることの大切さを学べる機会になりました。
WINK2020に参加してどのように成長できましたか?
伊藤さん:「WINK2020」ではアイデア提出後、事前研修という2日間の勉強会がありました。その中でIT分野の著名な研究者や技術者の方々からアドバイスをいただきながら、「KIMI crew-キミクル-」のアイデアをブラッシュアップしていきました。学外で学ぶことはすごく新鮮で、視野が大きく広がりました。
会田さん:これまでアイデアを考えるにあたって、市場調査や分析はそれほど意識していませんでしたが 、マーケティングともしっかりと向き合うことで、世の中に求められているサービスを生み出せることがわかりました 。それと、とにかく伊藤くんが優秀すぎて、驚かされることばかりでしたよ(笑)。一緒にアイデアを考えたり、企画書をつくったりすることは、本当に刺激的でした。
伊藤さん:会田くんは 、すごくプレゼンテーションが上手なんです!
同い年なのに、あんなに流暢に話せてすごいなぁって、僕もたくさんの刺激をもらいました。
KIMI crew-キミクル-の今後の展望は?
会田さん:引き続き、先生やWINK2020の審査員・アドバイザーをされていた有識者の方々からアドバイスをいただきながら、さらにブラッシュアップを続けていきます。
まずは、デモを完成させることからだよね?
伊藤さん:うん。今はデモの制作に向けて、マイルストーンを練っている最中です。実現までの道のりはまだまだ長いですが、「KIMI crew-キミクル-」は、スマートシティの新しい社会インフラになる可能性を秘めていると考えています。誰もが今よりもずっと安心で安全に暮らせて、支え合っていける社会の実現に向け、これからもしっかりと開発に向き合っていきたいです。
会田さん:IoTの技術は世の中を便利にするものだけでなく、安心・安全を支える技術でもあります。「KIMI crew-キミクル-」もそのひとつとして、社会に役立てば最高です。
●IT分野年度末成果発表会デジタルワークス
会田圭吾さん発表「KIMI crew Server」
伊藤由偉さん発表「KIMI crew App」
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