※この記事は、神戸電子ブログで2016年12月26日に掲載されたものを転載・加筆しています。※
建築インテリアデザイン学科では、「建築物=建物の全体」と「インテリア=建物の内部空間」の設計とそのデザイン手法について学び、建築業界において即戦力として活躍できる人材の育成を行っています。
今回は、建築インテリアデザイン学科1年生の授業である『CAD設計演習Ⅱ』の中で実施した「7m×7mの空間デザイン」の様子をご紹介しようと思いますが、そこで扱った建築模型の重要性についてもあわせてあ伝えできればと思っています。
では、本題の授業でのお話の前に、建築CGと建築模型のお話を少々お伝えさせていただきます。
目次
建築CGと建築模型…
どっちも必要なんです!
建築インテリアデザイン学科の強みのひとつが、なんと言っても建築CGですが、かつて建築CGのなかった時代に、できた建築物を想像するのに最も使用された手段が建築模型でした。
それは、スタディの時もプレゼンテーション時もそうだったわけです。そう言ってしまうと
「今の時代は建築CGがあるから建築模型はもういらないんじゃないの??」
とか、
「もう時代遅れじゃないの??」
なんて言葉が返ってきそうですが…私の答えは「NO!」です。
立体的な視点で見ることの大切さ
私の中では、建築CGと建築模型を併用することができるので、今は、より建築物の魅力を伝える手段が増えたんだなぁと思えてなりません。では、なぜパソコンが主流になった現在でも建築模型が重要なのかというと…
パソコンの画面上だけで判断して、いいなと思っていても実際にはそうじゃなかった…
なんてことが、起こり得るのが建築設計あるあるなのです。
よりわかりやすく、しかもリアルに完成時の姿を見せたり、壁や天井や床など建築を仕上げる素材の質感や色味を検討する際には、建築CGはとても有効な手段です。
しかし、パソコンの画面上では「スケール感」が全く分からないということが多々あります。建築の設計をする人にとって、この「スケール感」は非常に大切で、その感覚があるからこそ、居心地のいい空間がうまれるわけです。
また、スケールだけじゃなく、「光」や「影」も空間をつくる上ではとても重要な要素になります。これらを知る上でも建築模型の活用はとても有効な手段なのです。
では、本題に参りましょう!
建築設計の基本的な手法を学ぼう!
1年生の前半は、CG作成や図面作成の基本スキルを身に付ける授業が多いのですが、後半からは、徐々に自分でデザインする授業内容になっていきます。
とは言え、いきなりスラスラできるほど、建築やインテリアのデザインは簡単ではありませんので、まずは基本をしっかりと習得してもらいます!
『CAD設計演習Ⅱ』では、1年生の前半で身に付けたCADでの製図スキルを活かして各図面をまとめていくわけですが、その図面の基になるのが、学生が自ら考えた建築やインテリア空間です。この中で、設計の基本的な手法について様々な課題にチャレンジしながら学んでいきます。
大きな流れとしては、ひと課題に対して2~3週間を使ってスタディし、成果物をまとめて発表会をするというものです。
光と影で魅力的な空間に!
今回ご紹介する課題「7m×7mの空間デザイン」は、4つある基本課題の中でも特にシンプルな内容で、難しい設計条件などはありません。一辺7mの立方体をベースに自由に空間をデザインするというものです。
住宅やカフェといった建築としての用途の設定はなく、ほとんどの条件が自由で、ほぼ自分で設定してOKなんです。
注意点を挙げるならば、立方体のカタチをキープしつつ、開口部によって空間をデザインするというところと、この課題のみ建築模型で表現するというところでしょうか。。。
開口部を適当に開けるのではなく、模型で様々な検討をして、そこから得られた「光」と「影」によって豊かな空間をつくることを目標にしています。
※開口部:人が出入りする部分や窓のこと建築物で屋根、壁、床、天井の一部が開放された部分。窓、戸、出入り口などのこと。
空間デザインを試行錯誤!
今回の課題は、前述してように「光」と「影」によって空間をデザインするのでパソコンを一切使わない、建築インテリアデザイン学科でも特に珍しい課題なのですが…課題が始まると学生たちは思い思いに模型をつくり、いろいろと検討していました。。
屋上に上がって、太陽の光を実際に入れてみる…模型をのぞき込んで「あれっ?」って思って、また実習室に戻って試行錯誤…
実は、この試行錯誤をしてもらうのも今回の狙いの一つなんです!
制作期間は2週間…授業時間だけでなく、自宅でも試行錯誤し、そして決められた時間内に課題を仕上げていく…これは、まさに実社会での建築設計者の仕事そのものです。。。
空間デザイン発表会、実施!
いよいよ発表会なのですが…これもプレゼンテーションの練習を兼ねています。
1年生では、2年生進級を直前にした2月に「DigitalWorks」という名の大きな学内発表会があります。その中で、約半年をかけて取り組んできた設計課題についての発表をするわけですが、いわば今回するような授業内における発表会は、その練習の場なのです。
全員の前に立ち、自分の成果物に対して発表しますが、最初から何でもうまくいきません。
しかし、このような場に慣れていくことで、学生一人一人が見る見るうちに成長していきます!
今回は、模型ということもあって、発表だけでなく全員の作品を机に並べ、
各作品を見て回りました。模型なので、手に取ってぐるりと回したり、のぞき込んだりと学生が各々、友達の作品から学び取っていました!
この作品は、まるでピアノにスポットライトを当てたような演出ですね。
こちらは、階段がオブジェのように見えます。
なかなか美しい光が入っています。
建築CGと建築模型の両方ができる強みを活かして
今回の課題を通じて、試行錯誤しながら模型をつくる、その行為の意味やスケール感、美しい光の入れ方と影の演出を学んで欲しかったわけですが、その一つの成果が2月に行われる「DigitalWorks」(学内発表会)で見れるのかなと、私なりに楽しみにしています。
神戸電子専門学校で学ぶことで…
神戸電子専門学校の建築インテリアデザイン学科で学ぶことで、他では得られない建築CGの高いスキルが身につきます!
さらに、今回紹介したような建築模型によるスタディの中で試行錯誤することで、想像以上の空間が生まれる可能性が広がります!
皆さんも、神戸電子専門学校で技術力と発想力を学んで、将来、建築やインテリアの世界で活躍してみませんか?