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今話題のVRって何?3D映像の歴史から振り返る〜3D映像の歴史とVRのこれから〜

今話題のVRって何?3D映像の歴史から振り返る〜3D映像の歴史とVRのこれから〜

※この記事は、神戸電子ブログで2016年07月04日に掲載されたものを転載・加筆しています。※
「VRゴーグル」と呼ばれる機器が出る以前からも、3D立体視の手法はいろいろありました。歴史をご紹介するとともに、最初に書かれた2016年から8年後の今(2024年)。VR事情はどうなっているかご紹介します。

3DCGアニメーション学科って?

3DCGアニメーション学科では、3DCGソフトMayaを使ってのモデリング技術習得や、動きをつけるモーション練習、AfterEffectによる動画編集の方法などを、就職に向け日々勉強しています。

みなさんは”VR”という言葉を聞いた事がありますか?

VRというのは仮想現実「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」の略で、コンピュータ等で作り出されたサイバースペースを、あたかも現実のように体験する技術のことをいいます。

今回は、VRの移り変わりの歴史を少しさかのぼってみて、立体視映像の世界からながめてみたいと思います。※前回の続きです。


3D(立体視)の歴史

赤・青2色のフィルタを通してみる静止画

そもそもの 3D(立体視) ですが,
1838年イギリスで Binocular Stereo 隔離式が生まれたところからスタートします。

1853 年になるとアナグリフ式(anaglyph)という、左目と右目に赤と青のフィルタを付けて視差のある画像見る方法が生まれます。

左目と右目に赤と青のフィルタがついているメガネ。
画像参照元:3次元ディスプレイ – Wikipedia

馴染みのあるメガネですね。ここまでの世界は写真等を中心とした静止画で、”動く世界”(映像)ではありません。

映像での3D(立体視)の登場

映像の登場は1895 年フランスで”シネマトグラフ・リュミエール”が登場するまで待ちます。

『ラ・シオタ駅への列車の到着』

このフィルムが最初に上映されたとき、観客たちは自分らに向かって近付いてくる実物大の列車の動きに圧倒され、叫び声を上げながら部屋の後方へ走り出したといわれています。

興行的に大成功した初期の映画人は、「人々を驚愕させる」方法をいろいろと実験していきます。そして、”アナグリフ式”と”動く映像”はやがて合体。本格的な3D(立体視)にあたります。

1920年代、アナグリフ方式で3Dの映画(立体映画)が生まれます。

そして第1次 3Dブームと言われた1950年代
本格的な劇映画として3Dになったものとしてはアルフレッド・ヒッチコック監督の『ダイヤルMを廻せ!』があります。

1968年CGの父と言われるSutherland によって「A Head-Mounted Three Dimensional Display」という論文が発表されました。

映像自体はまだ線画ではあるものの、コンピュータグラフィックスで表された映像であり、首の運動に連動して人間の視線方向に対応した方向からの物体が見えるため、これがVRの最初だと言われています。

最初のVRブーム

1990年NASAも開発に携わった有名なEyephone。データグローブという装置が加わって、VR世界に自己が投射されました。没入感が加速していきます。(懐かしい)

そして、2010年アバターで”第3次3Dブーム”ということになりまます。
3DとVRは交互に注目されながら技術進化を遂げてきた歴史があります。

何故、いつも3D(立体視)は短命に終わるのか?

200年近い歴史を振り返りながら、大きな流れの中でVRの可能性を見ようと試みました。本来ならば、軍事シミュレーション、拡張現実(AR)、立体音響についても触れないといけませんが、長くなるので割愛。

話しを戻して、何故、いつも3D(立体視)は短命に終わるのか?と思われたかもしれません。確かに、ブームだから短命なのは仕方ないことかもしれません。

3D(立体視)というものが、実世界の視覚体験の再現を目指している以上、VRでないと不可能だからです。物体を3次元にしたとたん、大きさと距離が確定します。

人間の感性は、正確な3Dでないものは生理的に受け付けません。回り込んで見たいとか、あるいは全周囲を見回したいとか、そういう気持ちが起こります。この課題を解決しようとすると、どうしても VR のような人を包囲する大画面か、眼鏡型の機器開発になります。

次に、3次元を見ていると「ものを触りたい」「見えたものを触りたい」「見たように触りたい」という気持ちなります。今のところ、触覚センサーと触覚ディスプレイについては、標準が決まっていません。これから開発が進んでいくでしょう。

VRのこれからの課題

VRについては、まだまだ、解決しないといけない課題が分かっています。たとえば、

  1. 裸眼の立体ディスプレイ
  2. 身体運動の非接触計測
  3. 触れるVR
  4. 五感の情報融合
  5. 臨場感と存在感

3D(立体視)が出てきては長続きしないのは、それを完結させるためのVR技術が未完成であるからと言えます。しかし、実用レベルまで技術が完全され、解決すべき課題も見えています。遠くない将来、3D(立体視)はVR技術に包含される日が来るでしょう。

本校では下記のVRセミナーを開催予定しています。興味、関心があれば、是非、足をお運びください。
※すでに終了しています。

あれから8年。2024年のVR事情はどうなった?

8年前の記事で、VRの歴史を振り返った内容でした。あれから、VR事情はどう変わったのでしょうか。映画館で立体視メガネを装着して見られる劇場があります。また、ゲーム関連では下記のようなデバイスが市販品として流通しています。

アミューズメント施設でVRゴーグルを使って楽しむ人たち(生成AIにて作成)
アミューズメント施設でVRゴーグルを使って楽しむ人たち(生成AIにて作成)

スマホ装着型以外は、まだゴーグルの購入で数万円が必要となり、一般のゲームユーザがさらに出費をして楽しむことはまだ一般的ではないようです。
しかし、イベント会場やアミューズメント施設など「特別な場所」で、1プレイ数百円ほどで楽しむ分には人気コンテンツの1つではあるようです。

テレビやモニタ画面では得られない、臨場感は試した人にしかわからないものです。機会があれば、みなさんも試してみて下さい。