※この記事は、神戸電子ブログで2017年06月26日に掲載されたものを転載・加筆しています。※
インダストリアルデザイン学科って?
さて、インダストリアルデザイン学科では、「3D-CAD」を活用したものづくりを学んでいます。3D-CADはコンピューター上で製品などのデザイン(設計)をすることです。その学びは、暮らしに身近な製品のデザインから自動車の開発などまで、様々なものづくり分野で活用されています。
さて、今回は授業の一環でもある「手づくり木製スプーン製作」。
その作り方やインダストリアルデザイン学科のものづくりを紹介したいと思います。
すべて手作業!苦労した分愛着を持てる!
今回の取り組みの材料は、高知県四万十町の森林組合さんから提供していただきました。これらは間伐材を活用したヒノキ材や、神戸の家具メーカーさんからいただいた家具用木材の端材を使っています。
まずは、適度な大きさの板にスプーンの形を描きます。
どんな使い方をするスプーンなのかを考えながら、自分だけの形を自由に描くのです。
次に、描いた輪郭を糸鋸(いとのこ)で切り出します。
クランプでしっかり固定して垂直方向にゆがまないように丁寧に…。
その後は、小刀や彫刻刀や紙やすりを使って、形を整えながらひたすら削っていきます。
次に、外観を整えるのには小刀を使います。
そうして、形が整ってきたら、すくう部分のくぼみを彫刻刀(丸刀)で彫ります。
怪我をしないように気をつけて…。
スプーンを固定する作業用の台があるとやりやすいですね。
次に、形が整ってきたらやすりをかけて表面を整えます。#180~#400(紙やすりの細かさ)くらいの紙やすりで段階的に磨いていきます。
そうして、「これでよし!」っとなったらオイルを塗って仕上げます。
仕上げ用オイルには、次のようなものがあります。
- 蜜ロウ
- オリーブオイル
- クルミ油
- アマニ油
- エゴマ油
そこで、今回はエゴマ油を使ってみました。
エゴマ油は、乾燥する油なので表面がさらっと仕上がります(ちょっとゴマの香りが強かったですね)。
すべて手作業となるとやっぱり時間もかかるし手間もかかります。
「あ~手がしんどい~」ってなるほど、愛着の持てる一本になるのではと思います。
手づくりは、ものづくりの原点ですね。
つくったら使ってみる!
インダストリアルデザイン学科のものづくりの鉄則
「つくったら使ってみる」
ということで、デイキャンプバーベキューで使い心地を確かめます。
もちろんバーベキューもしっかり楽しみたいです。焼肉、焼きそば、チーズフォンデュ、オープンサンド、チョコフォンデュ、焼きマシュマロ、そしてシチュー、メニューも豊富に。
実際に使ってみてどうでしょう?
実際に使って確かめることではっきりわかると思います。
どこを変えたら使いやすくなるのか。今後デザインを考えていく中で、美観と機能のバランスをどう表現するのか判断する引き出しが増えていきます。
身近でシンプルな道具だからこそその部分が実感しやすいと思います。
コンピュータの学校だからこそ、手作業も大切に
画像は3D-CADでデザインして切削加工で加工したスプーン。
3D-CADを学んでいくとスプーンの複雑な局面もわずかな時間で造形できるようになり、加工機械を使えばそれこそほとんど手作業なしでつくることもできます。
手作業を大切にしたいのは曲面の手触りを自分の手で確かめながら造形することで、コンピュータ上でもきれいな造形を表現できるようになることを実感したいからです。
手作業を丁寧にできるひとほ3D-CADのスキルも伸びていくような気がします。
商品企画課題の一環にも
さてこの「手づくり木製スプーン製作」を経て、商品企画課題に取り組みます。
実体験をもとに、間伐材や端材を活用して、たくさんのひとに木の良さや手づくりの魅力を気軽に感じてもらえる「手づくりカトラリーキット」を企画制作中です。
その様子も含めて学科の取り組みを、インダストリアルデザイン学科X(旧Twitter)を中心に発信しています。
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