※この記事は、神戸電子ブログで2022年10月24日に掲載されたものを転載・加筆しています。※
先生たちが、自分の学科でない学びを体験してみました
神戸電子専門学校では現在、異なる分野同士で共に学び共に創る「共創」をテーマとした活動を行なっています。
ところが、普段、学生に専門的な技術を教えている先生でも実は違う分野のことはほとんど知りません。専門性が高くなるということは狭く深く掘り下げることだからですね。
では、他の分野が勉強している内容を先生自身で体験してもいろいろな勉強になるのでは!?
そこで、先日のアニメーターの作業体験に続き、今回はデジタルアニメ学科の土居先生、3DCGアニメーション学科の山本先生、ゲームソフト分野の生島の3人でサウンド分野を訪れました。
他学科の教員が、サウンドクリエイト学科の
曲作りの手順を体験!
サウンド分野には、
という3つの専攻があります。そこで、今回はその中のサウンドクリエイト学科で学べる「曲作り」の手順を市尾先生に説明していただきました。
私たちは音楽を聴くことはあっても作ったことなどありません。さらに、専門的な知識もありません。
しかし、市尾先生は「作曲は『選ぶ作業』であり、誰でもできる!」と強調します。果たして本当でしょうか。
ちなみにプログラマーにとって「キーボード」と言えばこれですが、
今回はこちらの「キーボード」を使います!
いかにもサウンド分野らしいアイテムですが、実はコレ、楽器ではなく入力装置なのです。
単体では音が鳴らず、押された鍵盤の情報をパソコンに送るだけです。(この大きさなのにUSB給電だけで動くことに感心してしまいました)
Webブラウザ上で作曲ができる「BandLab」
私のパソコンにはサウンド関連のソフトが何も入っていないのですが、なんと今回はブラウザ上で作曲作業をするとのこと。
「BandLab」というサイトにサインインすれば、それだけで準備完了です。
BandLab上で、新規プロジェクトを作成すると、鍵盤が表示された画面になります。
いろいろな項目があって難しそうに見えますが、
先ほどのキーボードデバイスを触ってみると、ちゃんと画面の中のキーが反応して音が鳴るのです!
しかも鍵盤を押した強さ(正確には速さ)に比例してボリュームが変わることに驚きます。
試しに録音ボタンを押して「きらきら星」を弾いてみると、その通りの音の高さと長さが記録されます。
よく見ると正しいテンポから少し遅れ気味になってしまっているのですが、なんとBandLabの画面でマウスドラッグすれば調整できるのです。
実際の演奏をあとから修正できるので、遅れたり間違ったりしてもお構いなし。
自分が理想とする状態に作り上げていくことができます。
しかも音色は数々の楽器に変更できるので、ギターが弾けなくてもギターの曲が作られてしまいます。
実際、サウンドクリエイト学科でも楽器が弾けない学生は多いとのこと。
大切なのはどういう音色を「選ぶ」のか、ということです。
自由に使える伴奏も配布されている
メロディーだけではかなりさみしいので伴奏が欲しいところですが、なんと自分で入力する以外にも他の人が提供するものを挿入することができるのです。
今回はドラム系の素材からバスドラム、スネアドラム、ハイハットの音を加えてみました。
メロディーに対して長さが足りなくてもループ対応の素材なら延長することができます。
こういった素材はいろいろな人が公開してくれているので、そこから「選ぶ」だけで材料がそろっていくのです。
BandLabの操作に戸惑うことはありましたが、それでも数十分で曲らしいものができてしまいました。
しかもブラウザ上で編集できるので、家のパソコンや自分のスマートフォンでも作業の続きができるのです。
体験授業の続きが帰宅してからもできるのはありがたいですね。
楽しむ側から楽しませる側に
いろいろな要素を選んでいくことで作曲できることがよくわかりましたが、適切に選ぶためには「耳を鍛えることが重要」ということです。
そんな市尾先生の説明の中でも特に印象に残っているのは「楽しむ側から楽しませる側に」という言葉です。
これってサウンドだけでなくゲームにもCGにもアニメにも通じる考え方ですね。
「ユーザーという立場からクリエイターという立場に変わる」
その覚悟はどの学科であっても必須でしょう。
そんな話をしているときの市尾先生自身も本当に楽しそうでした。