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学科・授業の紹介

「アレ」が「アレ」に変身。~サステナビリティデザインへの取り組み~

「アレ」が「アレ」に変身。~サステナビリティデザインへの取り組み~

インダストリアルデザイン学科の学生たちが、学校で使われる「アレ」を活かして新しいデザインに取り組んでみました。
巷で耳にする「サステナビリティ」とデザインがどう関わるのかご紹介します。

サステナビリティって何?

「サステナビリティ(Sustainability)」という言葉はみなさん聞いたことがあるでしょうか。
日本語では「持続可能性」と訳されます。つまり、将来にわたって現在の社会の機能を継続していくことができるシステムやプロセスのことを指します。

さて、私たちが普段から使用する資源や食料は、永遠に使えるとは限りません。ですから、未来の地球を守るために今できることとして

  • ゴミを減らそう
  • リサイクルしよう
  • エネルギーを節約しよう

といった行動が考えられます。これらも、サステナビリティのやり方のひとつです。

神戸電子にも「もの」を作ることに携わる
学科が多くあります

これらの学科の学生が「サステナビリティ」を意識したものづくりに挑戦しました。

古くなった学習机・椅子を活かしたものづくり

学校でよく使われていた机と椅子

今回のプロジェクトで使用したのは、神戸電子の教室で長年使われていた「机と椅子」です。これらは小学校や中学校などで使われていた、懐かしいタイプのものです。

新しい机と椅子を導入したこともあり、かなりの数を処分することになりました。そのときに、教員がふと気づきました。

  • 「そういえば、古い学習机・椅子はどうなるのだろう?」
  • 「これからのデザインを学ぶ学生にとって、循環型社会とデザインについて実感を得ることは有意義なのでは」

と考えました。

サステナビリティをテーマとした特別授業の様子

制作を始める前に、神戸電子の3つの学科(インダストリアルデザイン学科・グラフィックデザイン学科・建築インテリアデザイン学科)の先生方から、サステナビリティをテーマとした特別授業・ワークショップが行われました。そして、これらの授業を通して、制作アイデアのヒントを得ていきます。

分解された椅子を見ながら、活用のアイデアを模索する学生たち

机や椅子をパーツとして分解すると「木製の板」「金属のパイプ」に分かれます。さらに板やパイプも「真っすぐな部分・曲がっている部分」「大きな部分・小さな部分」があることがわかります。そうやって、これらの特性を活かして、何に活用できそうかを学生たちは想像していきます。

古い机・椅子から完成した、新しい製品たち

学習机の天板とフレームを活用してつくる
ロールペーパーホルダー
学習机の天板とフレームを活用してつくる
ロールペーパーホルダー
学習椅子の背もたれを活用してつくる
ハンガー
学習椅子の背もたれを活用してつくる
ハンガー
フレームパイプを活用してつくる楽器
パイプホイッスル
フレームパイプを活用してつくる楽器
パイプホイッスル
学習机の天板を無駄なく活用してつくる
スツール(背もたれがない、1人用の椅子)
学習机の天板を無駄なく活用してつくる
スツール(背もたれがない、1人用の椅子)

これらの制作プロジェクトは、アイリスチトセ株式会社との産学連携「サステナビリティデザインプロジェクト」として、2024年4月から8月にかけて取り組まれました。
そして、プロジェクト内の選抜メンバーは、同社大阪本部にて製品企画の最終プレゼンテーションも行いました。学生たちの提案内容は高く評価いただき、その後の取り組みへの大きな励みになりました。

高校生にもサステナビリティデザインを体験してもらいました

高校生向けの体験ワークショップの様子

また、2024年夏のオープンキャンパスにて、高校生にもサステナビリティデザインを体験してもらうワークショップが開かれました。参加した高校生からは、

  • 「学校の机を使って椅子を作るのはとても新鮮。」
  • 「楽しかったです。とてもいい経験になりました。」
  • 「サステナビリティとデザインを聞いてとてもわかりやすい説明でした。」

といった感想も寄せられました。

プロジェクトの詳しい様子は、神戸電子 新着情報でも取り上げています。

ものづくりを通して、持続可能なデザインを学ぼう

学習机・椅子は多くの方が小学校から高校までの間に使用します。つまり、人生の中でたくさんの時間を共に過ごす家具のひとつといえます。

ですので、それらが生活に身近な製品に生まれ変わる「ものづくり体験」を通して、ものへの愛着や持続可能なものづくりへの意識が育くまれます。

神戸電子のデザイン系学科では、今後も学生の柔軟な発想で持続可能なデザインを提案できるように取り組みを続けていきます。