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ゲーム会社に行かなくても、ゲームを作り販売できる時代!?「インディーゲーム」って何?

ゲーム会社に行かなくても、ゲームを作り販売できる時代!?「インディーゲーム」って何?

神戸電子には、毎年「ゲーム業界へ行きたい」と多くの学生が集まってきます。
もしかすると、この記事を読んでいるあなたも、著名なゲーム会社(カプコン、スクウェア・エニックス、バンダイナムコスタジオなど)に就職することを夢見ているのではないでしょうか。
今回は最近注目されている「インディーゲーム」について取り上げてみます。

オンラインストアで見かける数百円のゲーム

みなさんがゲームを購入するとき、その価格は5,000〜8,000円です。(2024年8月の平均価格は6,164円 ※総務省統計局の小売物価統計調査より)

ですが、オンラインストアなどでゲームを購入する際に、数百円で販売されているゲームを見たことはありませんか?

それらのゲームは、皆さんがあまり聞いたことのない会社から販売されていることが多いです。いったいどんなゲームなのでしょうか?

近年注目されている、インディーゲームとは?

2023年リリースされた『8番出口』のゲーム画面
画像は2023年リリースされた『8番出口』より。
この作品もインディーゲームとして有名になりました。

インディーゲーム(indie game)とは、大手のゲーム会社やパブリッシャー(ゲーム販売元)からの資金や支援を受けずに、独立して制作されたゲームを指します。

「インディー(indie)」は「インディペンデント(independent)(=自主的・独立という意味)」の略です。つまり、インディーゲームとは、「独立した」クリエイターや小規模なチームが「自由な創作」を行うスタイルを表しています。

インディーゲームの特徴

インディーゲームの特徴としては、以下の点が挙げられます。

  • 自由な発想で作られる
  • 低予算・小規模チームでの開発
  • 自分自身で販売までできる
  • 今までなかったゲームや実験的ゲームへの挑戦

ゲーム会社が制作する大作ゲームは、数百人から数千人規模のプロジェクトで開発されます。

しかし、インディーゲームの多くは個人または小規模チームで開発されます。ですから、インディーゲーム1本の価格が低くても、採算が取れる可能性を持ちます。また、価格が下がると、多くの人に気軽にプレイしてもらえるチャンスが広がります。

東京ゲームショウでも、インディーゲームコーナーは大盛況!

東京ゲームショウ2024のインディーゲームコーナー。国内外からの多くのゲームファンが楽しんでいます。

写真は、「東京ゲームショウ」のインディーゲームコーナーです。「東京ゲームショウ」は日本で最大のゲームイベントです。海外からも多くのゲームファンが来場します。

近年、インディーゲーム開発者は増加しています。それに伴い、東京ゲームショウへの出展数も増えています。2024年の「東京ゲームショウ」では、301の企業や個人がインディーゲームを出展。前年より約30増加しました。

平日は会社員、
週末はゲームクリエイター!?

ゲームの資金はどのように調達したのですか?のアンケート結果
画像の参照元:asobuによる日本のインディーゲーム開発者事情に関するアンケート(#GDC2022)

画像は、2022年開催のゲーム開発者会議「Game Developers Conference」の資料です。それは、インディーゲーム開発者が抱える資金面の問題について書かれたものです。資料によると「58%の人がゲームを作るために別の仕事をしなければならない。」との回答となっています。

ゲーム開発者の中には、普段は建設会社で働き、仕事後や休日にゲームを作る人もいます。また、ゲーム会社で働きながら自分のゲームを開発している人もいます。

神戸電子には先生をしながら、
自分のゲーム開発を行う方がいます

神戸電子教員の鎌田。東京ゲームショウ2024でのブース前で撮影
2024年9月に開催された東京ゲームショウでのブースにて

その人は、ゲーム開発研究学科の鎌田先生です。

鎌田先生は、3年ほど前からローグライクアクションゲーム『蒐命のラスティル – とこしえの迷宮城』を開発中です。2024年4月に早期アクセスでゲームを販売し、2025年の完成版リリースを目指して開発を続けています。

このゲームの開発は、神戸電子の在校生も開発に携わっています。キャラクター制作には3DCGアニメーション学科の学生が、効果音の制作にはサウンドクリエイト学科の学生が開発に携わっています。

神戸電子の中で、先生として授業を持ちつつゲーム開発に勤しんでいる鎌田先生。そんな先生にいろいろ質問してみました。

鎌田先生へのインディーゲームについて質問

鎌田先生が開発中のゲーム『蒐命のラスティル - とこしえの迷宮城』のキービジュアル
鎌田先生が開発中のゲームタイトル

何がきっかけでインディーゲームを作ろうと思いましたか?

私(鎌田)は、以前から個人制作のゲームを制作し販売していました。
自分で作ったゲームを沢山の人に遊んでほしい!という思いは常に持っていました。しかし、働きながらゲームを制作するというのはハードルが高いです。なので、そんなに簡単には出来ないのが現実です。

そんなとき、勤務先である神戸電子の支援を受けることができました。学内にゲーム開発スタジオを作らせてもらえたのです。

そこで、今回のゲーム『蒐命のラスティル – とこしえの迷宮城』(発売元:KTMG LLC.)の制作が始動しました。ゲーム開発を行いながら授業もすることで、最新技術をそのまま授業に取り入れられるのも魅力です。

インディーゲーム開発の魅力って何ですか?

インディーゲーム開発の魅力は、「自分の作りたいゲームが作れる」ことです。

もうひとつは、ユーザーと開発者の距離が近いところも魅力だと思います。
「自分はこういうゲームが面白いと思うし、みんなにも遊んでほしい。」と思った作品を自分の手で作り、展示イベントなどで直接ユーザーから意見などを聞くことができます。

他のインディーゲーム制作者と話す機会があるのも、ゲーム制作が身近に感じられる魅力の一つです。

これからインディーゲームを作ってみようという人に応援メッセージを

今の時代、誰もが「優れた開発環境」と「手軽な販売方法」を使えます。つまり、誰でもゲームを作って売ることが可能なのです。

ゲームを完成させて売ることは簡単ではありません。途中には多くの困難が待っていますが、それを乗り越えると新しい世界が広がります。迷っているなら、まずはゲームを作ってみましょう!

自分だけの道を切り開くという選択肢

ゲーム会社への就職は、ゲーム開発を目指す上で素晴らしい選択肢です。しかし、それが唯一の道ではありません。大切なのは「ゲームを作り、人を楽しませたい」という情熱です。鎌田先生は「その情熱を形にする技術は、いくらでも教えますよ」と言います。

ゲーム開発に興味があるみなさん、一度ゲーム作りの体験をしてみませんか?次はオープンキャンパスでお会いするのをお待ちしています。