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ゲーム会社には2種類ある!?~デベロッパーとパブリッシャーの違い~

ゲーム会社には2種類ある!?~デベロッパーとパブリッシャーの違い~

将来、ゲーム会社で活躍をしたいと思っている方へ。目指している会社はありますか?そして、その会社は本当にあなたが目指すべき会社なのでしょうか?
ゲーム会社には、販売を担当する会社・実際にゲームを開発する会社があるのです。

あなたが好きなゲームは、誰が作ったのか知っていますか?

格闘ゲーム「鉄拳8」のパッケージ裏。企業名を拡大すると、その販売会社(パブリッシャー)が書かれていることがわかる。
※鉄拳8のパッケージ裏

ゲームパッケージに会社のロゴマークが出ていたりします。また、ゲームの公式サイトにも、会社ロゴや会社名が載っていることが確認できます。

それを見ると、誰でもそのゲームを作ったのが誰(どこの会社)なのかを知ることができます。

しかし、そうでないことがあるのを知っていますか?

ゲーム業界の基本構造

ゲームは制作だけではなく、調査・広告・販売・流通などさまざまな工程がある。

ゲームは「作る(=制作)」だけでは成り立ちません。
「販売」してゲームが売れなければなりません。また、売るためには「宣伝」も必要です。そして、売れるためには、「マーケティング」という事前調査も必要です。

また、ゲームが売れるまではそのゲームでお金を得ることはできません。しかし、社員に給料を支払うなど、さまざまな出費が先に必要になるため資金調達も必要になります。

そこで、こうした業界の構造から、ゲーム会社は2つの役割に分かれています。

デベロッパーとパブリッシャー

生成AIによる、開発者のイメージ。開発=デベロップメントと言われます。

デベロッパーとは、日本語で「開発者」です。
実際のゲーム制作(企画、デザイン、プログラミング)を担当します。

パブリッシャーとは、日本語で「販売元」です。
ゲームを作る以前の「調査(=マーケティング)」「広報・宣伝」「販売」「資金調達」を担当します。

例えば、
『ポケットモンスター』シリーズは、デベロッパーは「ゲームフリーク」、パブリッシャーは「任天堂」が担当しています。

また、1つの会社でデベロッパーとパブリッシャーを担う会社もあります。
『妖怪ウォッチ』『イナズマイレブン』シリーズは、デベロッパーもパブリッシャーも「レベルファイブ」が担当しています。

実際には、現在のゲーム制作は1社のデベロッパーですべて作ることは困難です。ですので、キャラクターデザインの一部は別のCG会社に依頼をする。そして、戦闘シーンのプログラム開発は別の開発会社に依頼をする。といったことも行われています。

ゲームを作るなら、やっぱりデベロッパー!

デベロッパーの担当は「ゲーム開発」そのものです。ゲームに登場するキャラクターやそのアニメーション、ゲームのルールに則った制御の開発など、実際にゲームを作り上げているのはデベロッパーなのです。

そんなデベロッパーの魅力を、「株式会社バンダイナムコスタジオ」で活躍中の卒業生に聞いてみました。

株式会社バンダイナムコスタジオってどんな会社?

デベロッパーの1つである、バンダイナムコスタジオ公式サイトキャプチャ
※バンダイナムコスタジオ公式サイトキャプチャ

会社概要

株式会社バンダイナムコスタジオは、パブリッシャーでもある「株式会社バンダイナムコエンターテインメント」から開発機能を分社化し独立した会社です。これにより、コンテンツ開発に特化し、最適化された制度・仕組み等の導入を円滑に進めることが可能となっています。

公式ホームページでも、その技術紹介ゲームの開発秘話などをたくさん紹介しています。

卒業生が語る、デベロッパーでの仕事

現在、株式会社バンダイナムコスタジオで活躍している、卒業生の宮﨑さんに話を伺いました。
宮﨑さんは、4年制の「ゲーム開発研究学科」に入学。在学中には、年度末の作品発表会「DigitalWorks」では優秀賞を獲得するなど、多くの活躍を見せてくれました。

そんな宮﨑さんから、現在の仕事内容や在学中で得られたことをインタビューしました。

株式会社バンダイナムコスタジオでエンジニアとして活躍する、宮﨑 泰輔さん

株式会社バンダイナムコスタジオ
エンジニア
神戸電子専門学校 ゲーム開発研究学科 2024年卒業
宮﨑 泰輔さん

ゲームエンジンの開発はゲーム制作の土台になる
~仕事や研究の魅力・やりがい~

私が携わっているのは、バンダイナムコスタジオ独自のゲームエンジン開発。ゲーム業界では、UnityやUnreal Engineなどが有名です。大規模なゲーム開発現場では、適したゲームエンジンが必要とされることもあります。そうしたゲーム開発の土台であり、ゲーム開発チームの全員が使うモノに関わることは責任重大です。ですが「自分が開発に参加したゲームエンジンを使って多くの魅力的なタイトルが創られ、最終的にユーザーを喜ばせることができる」と考えるとやりがいは大きいです。しかも、子どもの頃から大好きだったタイトルを多く手がける、デベロッパーのバンダイナムコスタジオの開発現場を支えられるのは本当に幸せですね。

神戸電子で学んだことは、そのまま今の開発で活きている
~学校で学んだこと・学生時代~

宮﨑さんが3年生の時に制作した「がっぽり!爆走人力車」紹介動画

学校入学時は、プログラミング知識はありませんでした。しかし、1年次にC言語だけを1ヶ月半かけて集中的に学ぶカリキュラムのおかげで、かなり開発スキルを身に付けられました。そして、その知識を活かして実際にシューティングゲームなどをつくる内に、スキル習得とスケジュール管理もできるようになりました。こうした環境で身につけたC++やC#、Pythonなどのプログラミング言語は、今の開発でもメインとして使っています。ですので、かなり役立っていますね。それと、2年次に制作したオリジナルのゲームエンジンを、作品発表会「DigitalWorks」で企業の皆さんの前で発表させていただいたことは今も覚えています。

自分をアピールすることはとても大切です
~ゲーム業界を目指す方へのアドバイス~

インタビューに答えてくださる、宮﨑さん。

神戸電子専門学校には、学生一人ひとりに真摯に向き合ってくれる先生が多くいるのが魅力。私の場合は「ゲームエンジンをつくりたい!」との想いを先生にも伝え、つくり方などもよく相談していました。就職活動の時には「イラストやデザイン作品はポートフォリオにまとめやすいが、プログラムの実績はなかなか難しい。だからアピール用のWEBサイトをつくりたい」と先生に相談。先生には、そこに掲載する情報や効果的な見せ方などをアドバイスをもらいブラッシュアップ。このWEBサイトは面接でもアピール効果抜群でした。こんな風にとことん学生想いの先生に出会え、夢を叶えられたのも神戸電子専門学校で学んで良かったことです。

あなたが好きなゲームはどこで作られている?

ゲーム業界における、デベロッパー・パブリッシャーの違いについて、いかがでしたでしょうか?ゲーム業界で働きたい・ゲーム開発に携わりたいという方に参考になれば幸いです。

そして、あなたが大好きなそのゲームのデベロッパーがどこかをゼヒ調べてみて下さい。もしかすると、将来あなたが活躍している会社は、そこかもしれませんよ。