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職業紹介

専門学校教員が教える「ゲームプログラマになるには」

専門学校教員が教える「ゲームプログラマになるには」

※この記事は、神戸電子ブログで2016年09月12日に掲載されたものを転載・加筆しています。※

また記事内で紹介している作品は、現在のパソコン等環境によっては動作しない場合もあります。

ゲームソフト分野はゲーム開発を学ぶ分野

ゲームソフト分野は「ゲーム業界一直線!」を合言葉に、1年生の時からプログラミングに特化したカリキュラムを実践します。
また、1年次から作品制作に力を入れて取り組みゲーム業界への就職を目指すことになります。

さて、ゲームソフト分野の情報を覗いているあなたは、間違いなくゲームに興味がある人でしょう。
ゲームをしているときに「自分だったらこうするのに!」とか「自分もゲームを作ってみたい!」と思った経験があるのではないでしょうか。

それをただの夢や憧れではなく、進路として本気で考えたとき、いったい何を勉強する必要があるのでしょう。

今回はそのあたりを書いてみます。

ゲーム作りにもいろいろな職種がある

「ゲームプログラマ=ゲームを作る人」ですが、「ゲームを作る人=ゲームプログラマ」ではありません。

画像を描いたり、3Dモデルを作ったり、音楽を作ったりと、ゲームに必要ないろいろなパーツはそれぞれのプロに頼む必要があります。

必要なスキルが高くなればなるほど、1人で掛け持ちすることが難しくなるので、複数の職種が協力してゲームを作るのです。

ゲーム開発の現場のイメージ図

「ゲームを作る仕事に就きたい!」と思ったら、次は「その中のどの職種を目指すか」です。

簡単になれる職種はひとつもありません。どれを目指す場合も新しい勉強と訓練が必要になります。
どの方面の勉強なら意欲的に取り組めるかを基準に、進路を考えましょう。

ゲームソフト分野はゲームプログラマを目指すところ

神戸電子専門学校のゲームソフト分野は、ゲーム作りに関わる職種のうち、「ゲームプログラマ」を目指して勉強する場所です。

ゲームプログラマはよく「家を作る大工さん」に例えられます。
1軒の家が建つには、設計をする人や内装のデザインをする人も必要ですが、最終的には大工さんがいないと物ができあがりませんね。

ゲームプログラマは画像や3Dモデルなどの素材を使って、実際に動く形に仕上げていく仕事です。

プログラム開発の画面

プログラマは特定の処理をさせるいろいろな命令を知っているので、それらをどう組み合わせてどう使えば理想的な動きをするかを考え、プログラミング言語という独特の言葉で記述していきます。

プログラマの腕によってできることとできないことが変わってきます。
できることが多い方が表現の幅が増したり、他のゲームとは違う特別な処理が実現できたりするので、優れた作品に仕上がる可能性が高まるわけですね。

まずは画像の動かし方を勉強する

いろいろと難しそうに感じるかもしれませんが、神戸電子に入学してくる人の大半は「これまでまったくプログラミングをしたことがない人」です。
そこで、もともとの経験に関係なくゲームが作れるように勉強を進めます。

ゲームというのは簡単に言えば「プレイヤーの操作によって、画面に表示された画像が変化する」というプログラムです。
そこで、まずは画像を表示し、キーによってそれを動かす練習をしていきます。

2Dアクションゲームの画面

画像が表示できるようになると、それだけで2Dゲームの雰囲気が出てきますね。

キーを押したときに画像の表示位置が変化するようにすれば「キーによってキャラクターを動かしている」ように見えるのです。

ルールを実現するための判定処理を勉強する

画像が動くようになれば、次に必要になるのが「判定処理」です。

2Dシューティングゲームの画面

「弾が当たったら敵キャラを消す」「ゴールに到達したらクリアとする」というようなルールを実現しないとゲームが成り立ちません。

実はこの判定処理の方が難しいことが多く、数学的な理屈が必要になることも多いです。
「見た目は衝突しているのに壁をすり抜けてしまう」「同じ色が並んだのにブロックが消えてくれない」など、ゲームのバグに悩まされるのはたいてい判定処理ですね。

チームを組んで作品を作り上げる練習をする

冒頭に書いたように、ゲーム作りには何人もの人が絡みます。
専門的な技術も重要ですが、他の人とうまく作業を進めるというのも大事なスキルです。

ゲーム開発の打合せの様子

そこで1年生の後期には学生同士でチームを組んで、ひとつのゲームを作っていきます。
意見が食い違ったりスケジュールが守れなかったりと、いろいろなトラブルを経験しながら成長を目指します。

1年生がチーム制作で作ったタイトル「投げるぜバナナの遺跡

2014年度1年生チーム「投げるぜバナナの遺跡」
2014年度1年生チーム「投げるぜバナナの遺跡

どのチームもすごく苦労しますが、毎年、1年生からもいい作品が仕上がってきます。
発表会ではその完成度に、いつも感心させられます。

3Dプログラミングを勉強する

2年生になると、いよいよ3Dプログラミングを勉強していきます。

3Dフライトシミュレーターの画面

今のゲームはほとんどが3D表現であり、2Dゲームでは使わないような処理や理屈がたくさん利用されています。ゲームプログラマとして就職するためには、やはり3Dゲームが作れる技術を身につけていく必要があります。

1年生の間にいろいろな基礎を習得しているので、それをもとに3D独自の作り方と考え方を勉強していきます。

授業の難易度も上がりますが、市販ゲームで見た処理がどういう原理なのかがわかってくるので、より面白くなってきます。

就職活動に向けて個人作品を作る

チーム制作の経験も重要ですが、ゲームソフト分野では2年生になると1人で作品を作ります。

それはなぜか。
ゲーム会社を受験するとき、その人の実力を示す材料として、自分で作った作品を提出します。
試験や面接といった審査もありますが、その人が作った作品を見ればゲーム開発に必要な能力が一目瞭然だからです。

1人で作るからごまかしは通用しない
つまり、純粋な自分の力を見てもらえる

ゲームソフト分野はプログラマを養成する分野なので、複数の学生でチームを組んで作品を作ると、どの人がプログラマとして優れているのかが判断しにくくなります。

そこで、作品からその人の純粋な実力が判断できるよう、就職活動に向けて1人で作るのです。

2年生が個人制作で作ったタイトル「I think

2014年度2年生「I think」
2014年度2年生「I think

ゲーム業界への就職を果たす学生は、個人制作でもかなりのレベルの作品を仕上げてきます。

卒業を前に全力でチーム制作する

3年生になってしばらくすると徐々に各社から内定が出始め、卒業後の進路が決まっていきます。

そこで就職活動を終えた学生たちはまたチーム制作を行います。
1年生の頃の反省を活かし、たくさんの技術を身につけた者たちで最高の結果を目指します。

3年生がチーム制作で作ったタイトル「OCULUS -RAGE ASSAULT-

2014年度3年生チーム「OCULUS -RAGE ASSAULT-」
2014年度3年生チーム「OCULUS -RAGE ASSAULT-

ゲーム会社に内定した学生ばかりで組んだチームなどは、さすがに見事な仕上がりです。
学生生活最後の作品制作として、年度末の発表会での優勝を目指すのです。

プレイすること以上に、作ることが好きな人向け

さて、ゲームプログラマになるための流れがわかってもらえたでしょうか。

「ゲームが好きだからゲーム業界で働きたい!」
その気持ちはすごくわかります。でも気を付けてください。

ゲームを「プレイすること」が好きなだけなら目指してはいけません。
ゲームを「作ること」が好きな人が入る世界なのです。

進路を決める前にその違いを見極め、自分は「ゲームを作ることに全力を注ぎたいんだ」と自信を持って言えるかどうかを確かめてください。

勉強が難しいことも多いですが、神戸電子に来てからゲームプログラマとしての頭角を現した人たちもたくさんいます。

本気で目指す熱意があるかどうか。その熱意を数年間持ち続けられるかどうか。
それさえ確実なら、その目標を叶えるために私たちも全力で協力します。

先輩たちが作った作品は、
YouTube・ダウンロードサイトで公開中

作品紹介動画や、制作発表会「DigitalWorks」での発表の様子は「神戸電子専門学校ゲームソフト分野YouTube」にて公開しています。発表会以外にも、授業で作った作品も紹介しています。

また、実際にプレイできるゲームを無料でダウンロードできるサイト「神戸電子ゲームソフト分野 – itch.io」もあります。ほとんどが、Windowsにてプレイすることができます。

入学してどれくらいのゲームが作れるようになるか、ぜひ参考にしてみて下さい。